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睡眠時無呼吸症候群の治療・治し方

睡眠時無呼吸症候群の検査や治療にかかる費用はいくら?原因や治療法も解説

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睡眠Dr. 編集部

睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

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放置は危険!睡眠時無呼吸症候群について

いびきをかいて寝ている男性
睡眠トラブルは無意識下で発生するため、放置していても大丈夫だと思われがちです。しかし、放置すると命の危機に瀕する恐れがあるとご存じでしょうか。

特に重症度が高くなりやすいのが「睡眠時無呼吸症候群」です。どういった病気なのか、その概要を詳しく見ていきましょう。

睡眠時無呼吸症候群の概要

睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている際に低呼吸状態になったり、呼吸が止まったりする病気のことです。睡眠中の無意識下で起きる問題ですので、自覚症状がない人も大勢います。

また、睡眠時無呼吸症候群に合わせて大きないびきをかく人も多いです。
睡眠中にグーグーと音が聞こえるため、同居家族がいる場合は、家族の訴えによって把握できます。一方、一人暮らしの場合は、睡眠時無呼吸症候群を患っていてもその問題に気づきにくく、対応が遅れることがある危険な病気だと覚えておきましょう。

睡眠時無呼吸症候群の重症度を測る指標

睡眠時無呼吸症候群は「AHI」という指標を用いて重症度を判断します。AHIとは、睡眠1時間当たりの無呼吸・低呼吸回数の合計値のことです。AHIの数値によって、「軽症」「中等症」「重症」の3段階に分けることができます。

軽症 5 ≦ AHI < 15
中等症 15 ≦ AHI < 30
重症 30 ≦ AHI

つまり、無呼吸・低呼吸の回数が多い人ほど重症度が高くなるイメージです。よく呼吸が止まっているという人は、一度医療機関を利用して、検査を受けてみてください。

睡眠時無呼吸症候群を放置しておくと、命まで危険になる

睡眠時無呼吸症候群を発症して窒息死することはありませんが、放置してしまうと次の死亡リスクが高まります。

  • ・心疾患
  • ・脳疾患

睡眠時無呼吸症候群を患っている人は、患っていない人に比べて、心疾患や脳疾患を起こす確率が2倍程度上昇します。また、睡眠時無呼吸症候群を発症すると熟睡できません。日中も強い眠気に襲われて、貧血や交通事故のリスクがあるので注意してください。




いびきの種類

ベッドでいびきをかく男性の隣で耳をふさいでいる女性
睡眠時無呼吸症候群になるとかきやすくなる「いびき」には、散発性・習慣性という2タイプがあります。中には、いびきを起因に睡眠時無呼吸症候群を発症する人も多いので、いびきの種類について覚えておきましょう。

散発性いびき

散発性いびきとは、普段いびきをかかない人が、以下の原因によりいびきをかく症状のことです。

  • ・疲労が溜まっているとき
  • ・アルコールを摂取したとき
  • ・扁桃腺が腫れているとき
  • ・鼻炎・花粉症で鼻が詰まっているとき

いずれも一時的に発症するいびきです。病気が考えられるいびきではないため、上記の原因をとり除くことで改善できます。

習慣性いびき

習慣性いびきとは、寝ているとき常にいびきをかく症状のことです。習慣性いびきは、主に以下の2種類に分類されます。

  • ・単純いびき:日中の眠気や起床時の倦怠感などを伴わないいびき
  • ・睡眠時無呼吸症候群のいびき:血中酸素量の低下、睡眠の質の低下を引き起こすいびき

前者の場合、睡眠の質には問題ないとされています。ただし後者においては、日常生活に支障をきたすいびきの症状ですので、早期に検査を受け、必要に応じて治療を開始するのがおすすめです。




いびきと無呼吸症候群の原因って何?

タバコのイメージを蹴る肥満男性
そもそも、いびきや睡眠時無呼吸症候群を発症する原因は何なのでしょうか。

結論として、いびきや睡眠時無呼吸症候群は誰でも発症する可能性があります。生活・健康によって左右されるため、詳しい原因を見ていきましょう。

肥満

肥満の人は、脂肪があごにつくことで気道を圧迫し、いびきや睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくなります。

また男性は、上半身に脂肪がつきやすいため、肥満の男性はいびきをかきやすいのが特徴です。暴飲暴食や生活習慣の乱れによって肥満体型になりやすいので、食生活に注意してください。

アレルギー性鼻炎

花粉症やハウスダストなど、アレルギー性の鼻炎を患っている人は普段から口呼吸をしているため、いびきをかきやすいのが特徴です。
口呼吸によって舌が気道側に落ち込みやすい状態であることから、アレルギー性鼻炎の解消しなければ、いびきや睡眠時無呼吸症候群を改善できません。

喫煙

タバコ・電子タバコといった、ニコチンやタールを含んだ嗜好品の喫煙は気道を炎症させ、いびきや睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくなります。
喫煙頻度が高い人ほど炎症しやすいため、禁煙を始めなければ、いびきや睡眠時無呼吸症候群を改善できません。

あごが小さい・アデノイド

あごが小さい人、アデノイドの人は、睡眠中に舌が気道に落ちやすいのが特徴です。
欧米人と比べてあごが小さい日本人は、肥満でなくてもいびきをかく人が多いため、あごの大きさがいびきや睡眠時無呼吸症候群に影響していると考えられています。

中高年

加齢で中高年になると、あごの筋力が落ちていびきや睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくなります。特に女性は、後述する閉経も重なり、中高年でいびきや睡眠時無呼吸症候群の発症率が高いのが特徴です。

閉経後の女性

女性の場合、更年期を迎えると女性ホルモンのひとつ「プロゲステロン」が減少し、いびきや睡眠時無呼吸症候群を発症しやすいのが特徴です。

プロゲステロンには、のどの筋肉を活発に動かす重要な役割があります。しかし、女性ホルモンが減少すると筋肉が衰え、舌が気道側に落ち込みやすくなります。そのため、今までいびきに悩まなかった女性でも、年齢を重ねるにつれていびきをかいてしまうのです。




検査の種類・費用

お金と電卓
「睡眠時無呼吸症候群の検査を受けたいけど、どれくらいの費用がかかるの?」「そもそもどんな検査を行うの?」

予算面・検査内容に不安をかかえている人は多いかもしれません。基本的に、睡眠時無呼吸症候群の検査では保険適用された簡易検査と、PSG検査を用います。それぞれの特徴と費用目安を詳しく見ていきましょう。

簡易検査

簡易検査とは、自宅で手軽に利用できる睡眠時無呼吸症候群の検査です。
専用の機器をとり付けて眠ることにより「酸素飽和度」「脈拍数」「呼吸状態」「気道閉塞状態」をチェックできます。
主な検査は次の2種類です。

  • ・スクリーニング検査:4000円程度(3割負担の場合)
  • ・簡易型アプノモニター検査:3000円程度(3割負担の場合)

簡易検査である分、手間がかからないため費用は比較的安価です。医療機関からレンタルして利用します。

ポリソムノグラフィ(PSG)検査

簡易検査にて、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いと判断された方は、ポリソムノグラフィ(PSG)検査を受けます。PSGの主な検査項目は以下の通りです。

  • ・血中酸素飽和度
  • ・空気の流れ
  • ・胸部・腹部の換気運動
  • ・筋電図
  • ・眼球運動
  • ・脳波
  • ・心電図
  • ・心拍数
  • ・いびきの音
  • ・睡眠時の姿勢

検査には、入院費用を含めて、1~3万円(3割負担の場合)ほど必要です。また、PSGは入院して行う検査ですが、多忙な方も受けられるように夜入院して検査を受け、朝退院できるスケジュールが組まれている医療機関もあります。

睡眠時無呼吸症候群のセルフチェック

少しでも睡眠時無呼吸症候群の疑いを感じているのなら、医療機関に検査を受けに行く前に、セルフチェックを行いましょう。以下の項目を参考に、家族に協力してもらいつつ症状を確認してみてください。

  • ・睡眠中にいびきや呼吸が止まっているか
  • ・日中に強い眠気を感じるか
  • ・起床時に疲労や頭痛を感じるか

当てはまる項目が多いほど、睡眠時無呼吸症候群である可能性が高まります。ひとつでも当てはまるものがあるのなら、早めに医療機関に相談しましょう。




一般的な検査の流れ

医師による診察の様子
睡眠時無呼吸症候群の検査は、以下のように進みます。

  • 1. 睡眠時無呼吸症候群を扱っている医療機関を見つける
  • 2. 問診・睡眠尺度評価
  • 3. 簡易検査~精密検査、診断

各項目について、詳しい手順を説明します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の専門科のある医療機関を探す

まずは、睡眠時無呼吸症候群の検査をしてもらえる医療機関を探しましょう。睡眠時無呼吸症候群を受診できるのは、以下の診療科です。

  • ・睡眠科
  • ・内科
  • ・呼吸器内科
  • ・循環器科
  • ・耳鼻咽喉科
  • ・歯科

自宅周辺エリアの医療機関を検索して、睡眠時無呼吸症候群の検査を受けられるか確認してください。自分で見つけることができなかった場合には、普段通っている医療機関の先生に相談してみましょう。

問診・睡眠尺度評価

問診では、既往歴や就寝中の様子、日中の眠気といった症状をヒアリングされます。就寝中のいびきや睡眠時無呼吸症候群は自覚症状がない人も多いので、就寝中の様子が分かる家族に付き添ってもらってください。

問診のあと、日中の眠気を評価するエスワープ眠気尺度(ESS)という質問表に回答するのが一般的です。どういったタイミングで眠気を感じるのか回答することによって、睡眠時無呼吸症候群の有無を判断してもらえます。

簡易検査~精密検査、診断

最後に、前項で紹介した「簡易検査」「精密検査」を実施します。

まず簡易検査を行った際に重症度が低ければ、日常生活の改善についてアドバイスしてもらえるのがポイントです。一方、簡易検査の結果が悪く、精密検査によって睡眠時無呼吸症候群だと判断された際には、診断結果として治療方法や日常生活の改善に関するアドバイスを受けます。

また、診断結果を教えてもらった後は、CPAP治療やマウスピース治療、手術などを利用しながら改善していくのが一般的です。治療と並行して定期的に検査を行い、症状の変化をチェックしてもらいつつ症状の改善を目指します。




睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法は?OSA・CSAも

CPAP治療をしている男性

睡眠時無呼吸症候群の治療は、検査によって診断された睡眠時無呼吸症候群のタイプによって治療方法が異なります。睡眠時無呼吸症候群は「閉塞性」「中枢性」の2タイプがあるので、それぞれの治療法の違いを詳しく見ていきましょう。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の治療法は?

閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは、呼吸するときに空気が通る上気道が閉塞することで、呼吸が止まってしまうタイプの睡眠時無呼吸症候群です。代表的な治療法には次のようなものがあります。

  • ・生活習慣の改善
  • ・マウスピース療法
  • ・CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)

ほかにも、重症度や原因によっては「外科手術」や「薬物治療」が行われています。

中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)の治療法は?

中枢性睡眠時無呼吸症候群とは、呼吸中枢が正常に働かなくなることで呼吸が止まってしまうタイプの睡眠時無呼吸症候群です。代表的な治療法には次のようなものがあります。

  • ・薬物療法+生活習慣の改善
  • ・夜間在宅酸素療法もしくはCPAP療法

中枢性睡眠時無呼吸症候群は、基礎疾患などが原因になることもあるため、治療の際には、睡眠時無呼吸症候群と並行して基礎疾患の治療も実施します。

自分に合った治療法を見つけるには、しっかりと比較検討をする必要があります。いびきメディカルクリニック「いびきの治療にかかる費用は高額?」の記事ではいびき治療についての費用などを分かりやすく解説しています。




「手術をすれば治る」は本当か? 睡眠時無呼吸症候群における手術のデメリット

喉を触診している医師
睡眠時無呼吸症候群の解消方法として、外科手術を行うことはあります。ただし、その効き目や適合範囲は極めて限定的です。

外科手術には複数のデメリットがあるため、睡眠時無呼吸症候群の治療としても優先順位が低くなっています。具体的なデメリットを確認していきましょう。

CPAPよりも効果が低いことが多い

睡眠時無呼吸症候群の場合、外科手術を行っても十分な効果を得られない恐れがあります。

外科手術によって睡眠時無呼吸症候群が治る確率は決して高くはなく、改善率は50パーセント程度にとどまるとする見方が一般的です。しかも「外科手術に成功して、睡眠時無呼吸症候群から無縁の生活になった」という人の割合ではなく「無呼吸の回数が半分になった人」の割合となります。

痛い思いをして施術に踏み切ったとしても、完治率は決して高くはないのです。

入院を必要とすることもある

睡眠時無呼吸症候群の外科手術を受ける際、入院が必要になる場合があります。

睡眠時無呼吸症候群の外科手術ではレーザー治療を受けるのが一般的であり、基本的には日帰りが可能です。ただし、体の一部を切るため、入院を伴わない手術であっても回復に時間がかかるほか、麻酔が切れれば痛みも出ます。
術後の症状の度合いによって入院が必要になる人、入院の必要はなくても数日動けない人も出てくるため、日常生活に支障が出やすいと覚えておきましょう。

再発の可能性も否定しきれない

外科手術が成功したとしても、将来的に睡眠時無呼吸症候群が再発する可能性もあります。
例えば、睡眠時無呼吸症候群の手術を受けて症状が改善したとしても、肥満状態が続いたり、肥満状態になったりした場合には、また睡眠時無呼吸症候群を発症する可能性があるのです。

確かに外科手術という選択肢は、睡眠時無呼吸症候群を改善する有効な手段のひとつでしょう。しかし、複数のデメリットがあることから、手術という選択肢を検討する際には、再発のことを考慮し慎重に動く必要があります。




無呼吸症候群の治療にはまず検査を

健康状態をチェックしている看護師
無呼吸症候群の治療を考えているのなら、まずは検査から利用してみましょう。なぜなら、睡眠時無呼吸症候群は自分では気づきにくい症状だからです。
家族が気づいてくれればいいのですが、一人暮らしの方や家族と寝室を別にしている方もいらっしゃいます。例えば、十分な睡眠時間をとっているのに疲れがとれない、倦怠感が続く、毎朝頭痛やのどの痛みに悩まされているといった症状がある場合は、もしかすると睡眠時無呼吸症候群かもしれません。

自宅で利用できる簡易検査も充実しているので、まずはどれくらいの重症度なのかチェックしてみてください。また、睡眠時無呼吸症候群に関する不安点については、検査に合わせて医師に相談するのがおすすめです。診察に合わせて、あなたに合った最適な治療法を提案してもらえるでしょう。

下記コラムでも治療法について詳しく解説していますので参考にしてみてください。

まとめ

朝にコーヒー飲んで い目覚める女性
自覚症状がない人の多い睡眠時無呼吸症候群ですが、放置していると死の危険もある重大な病気です。検査の費用には保険が適用され、比較的リーズナブルに利用できます。

もし睡眠時無呼吸症候群への不安を感じているのなら、本記事の情報を参考に、医療機関を受診してみてください。経験豊富なプロの医師から、あなたに合った治療法を提案してもらえます。




よくある質問

Q.睡眠時無呼吸症候群の治療をしないとどうなりますか?

A.睡眠時無呼吸症候群を放置したままにすると、心疾患・脳疾患といったトラブル発症率が2倍近く高まるため、最悪死に至るケースがあります。安全かつ健やかな睡眠時間を確保するためにも、医療機関で検査を受けてみましょう。

Q.いびきをかきやすい人の特徴はありますか?

A.いびきをかきやすい人の特徴は「いびきと無呼吸症候群の原因って何?」で詳しく解説しています。例えば、次のような日常生活・環境で過ごしている人は、いびきはもちろん、睡眠時無呼吸症候群を発症しやすいのが特徴です。

・肥満
・アレルギー性鼻炎
・喫煙
・あごが小さい・アデノイド
・中高年
・閉経(女性の場合)

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睡眠Dr. 編集部

睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

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