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【快眠のためにリラックス】寝る前に聴くおすすめの音楽をご紹介

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睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

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寝る前の音楽が快眠に導く?

ヘッドフォンで音楽を聴く女性はじめに、なぜ睡眠前に音楽を聴くと快眠に効果があるのか、そのメカニズムを解説していきましょう。

快眠と音楽の関係

そもそも、どうして人間は音楽を聴くと、リラックスできたり、逆に気持ちが高揚したりするのでしょうか?それは、人間の自律神経の働きと脳波が大きく関わっています。

副交感神経を活性化

人間には、全身の代謝を活性化させて興奮を促す「交感神経」と、興奮にブレーキをかけてリラックスへと導く「副交感神経」があります。2つの神経をまとめて「自律神経」と呼び、24時間365日フル稼働で働き続けています。これらが正しく働くことで、私たちは日々健康的に生活することができているのです。

そして、音楽を聴くことは、副交感神経を活性化させる効果があります。人間の脳はもともと、音楽を「快」と感じるようにプログラムされており、オーケストラの壮大な演奏を聴いて涙が出たり、軽快なリズムに思わず体が動いてしまったりするのは、本能的に私たちが音楽に快楽を求めているからです。

つまり、心地よい音楽には心身の緊張をほぐし、副交感神経の働きを促す作用があるため、睡眠前の音楽は快眠へと導く効果が期待できるのです。

心を落ち着かせる効果がある

快眠に導く音楽は脳波とも関係があります。

脳波とは、脳神経細胞の活動によって発生した電気信号を測定したもので、波のように表現されます。通常、人間の脳波を測定すると、周波数によって下記の5種類に分けられます。

脳波の種類 周波数 特徴
γ波(ガンマ波) 30Hz以上 緊張や不安、イライラしたときなどに出る
β波(ベータ波) 14~30Hz 通常の覚醒して脳が活動しているときに出る
α波(アルファ波) 8~13Hz リラックスした状態のときに出る
θ波(シータ波) 4~8Hz 浅い睡眠で微睡んでいるときに出る(レム睡眠時)
δ波(デルタ波) 0.5~4Hz 深い睡眠中に出る

この中でも、とりわけ快眠と関係が深いのがα波(アルファ波)です。人間は心地よくリラックスすると、脳波がα波の状態になります。この状態で寝床に入り就寝することで、眠りに入りやすくなり、睡眠の質の向上が期待できるのです。




快眠に効果を発揮する音楽の選び方

レコードと楽譜このように、音楽には副交感神経の働きを活発にし、心を落ち着かせる効果があります。
ここからは、快眠に効果を発揮する音楽を選ぶときに、気をつけると良いポイントを詳しく解説していきましょう。

テンポが一定でゆったりとした曲調のものを選ぶ

まずは、テンポが一定なものを選びましょう。一定のテンポを保っている方が、自律神経の働きを安定させる効果が高いです。

ただし、自律神経を安定させるだけならば、テンポは速い遅いにかかわらず、一定であれば問題ありません。けれども、睡眠前に聴く、かつ快眠効果を求めるとなると、脳の働きを落ち着かせるゆったりとした曲調の方が適していると言えるでしょう。

また、テンポの他にも音階の変化が激しくないものをチョイスすると、副交感神経の活性化を阻害せず、睡眠前の準備に効果を発揮します。曲の長さは4〜5分程度で、軽く聞き流しができるものがおすすめです。

歌詞の入ったものは避ける

快眠効果を高めるには、歌詞が入っていない音楽を聴くようにしましょう。

歌詞が入っていると、歌詞の内容を頭で追ってしまい、脳が働いて睡眠の妨げになる可能性があります。また、歌詞の内容によっては脳の興奮を促し、リラックスするどころか気分が高揚し、逆効果になることも考えられます。

寝る前はメロディーのみの音楽を聴き、リラックスすることを意識しましょう。




快眠に効果を発揮するおすすめの音楽

森の中音楽の選び方がわかったところで、次はおすすめの音楽を具体的に紹介していきます。

1/fゆらぎの音楽

1つ目は、「1/fゆらぎ」を含む音楽です。

「1/fゆらぎ」とは、予測できない不規則なゆらぎのことを指し、「規則的な音」と「ランダムで不規則な音」が調和した状態です。この「1/fゆらぎ」に身を任せると、脳がリラックスして、うとうとしやすくなる効果が期待できます。

「1/fゆらぎ」を含む音楽は、以下の通りです。

  • ・虫の声
  • ・小鳥のさえずり
  • ・波の音
  • ・小川のせせらぎ

上記のような自然音は、歌詞が入っていないですし、テンポもリズムも音階も一定です。睡眠前に聴いて脳をリラックスさせることで、より安眠しやすくなるでしょう。

クラシック

2つ目は、クラシック音楽です。

クラシック音楽も1つ目の自然音と同様に「1/fゆらぎ」を持ち合わせており、脳を落ち着かせる効果があります。
こちらも同じく、睡眠前に聴く場合は歌詞がなく、テンポ・リズム・音階が一定のものを選びましょう。

特におすすめなのが、モーツァルト作曲のクラシックです。モーツァルトの音楽は決まったフレーズの繰り返しが多く、なおかつテンポやリズムが一定のものが多いため、睡眠前に聴くには良いとされています。クラシック音楽を選ぶ際には、ぜひ参考にしてください。




やたらα波を謳う商品には要注意!

悩む女性CDショップや音楽配信サイトなどで「ヒーリングミュージック」と検索すると、やたら「α波」を強調した音楽やアルバムを目にすることがあるでしょう。

上記でも説明しましたが、人間がリラックスしているときに脳波を測定すると、α波を観測することができます。このことから、脳の活動を穏やかにしたい睡眠前などは、脳の状態をα波にするのが良いと考えられています。

確かに、ヒーリングミュージックの多くは、自然音をベースにしたものや、クラシック音楽で構成されています。そのため、脳を「1/fゆらぎ」によってリラックスさせ、安眠しやすくする効果があると言えるでしょう。
ですがこれは、ヒーリングミュージックが直接的に脳のα波を誘発させ、眠りを誘っているわけではありません。何か特殊な周波数が出ているわけでも、眠りを誘う催眠効果があるわけでもないので、勘違いしないようにしてください。

ヒーリングミュージックは、あくまで音楽を聴くことによるリラックス効果を目的に作られているものです。ゆえに、睡眠前にたかぶった気持ちを鎮めるイメージで使うようにしましょう。




より快眠効果を高めるには?

寝室に置かれたスピーカーそれでは最後に、より音楽によるリラックス効果を高め、眠りやすくするおすすめの音楽の聴き方を紹介します。

イヤホンを長時間使用しない

音楽を聴く際、イヤホンやヘッドホンを使う人は多いでしょう。特に、最近は夜間でも外の車の音や周囲の騒音が気になるため、イヤホンやヘッドホンで耳を塞ぎたくなりますよね。
ですが、入眠効果を高めるためには、長時間のイヤホン・ヘッドホンの使用はNGです。

寝る前だけでなく、寝ている間もイヤホンやヘッドホンを使うと、耳への負担が大きくなります。最近は、着用したままでも横になれるイヤホンなどが販売されているため、つい外すのを忘れてしまいます。ですが、寝る前には必ずイヤホン・ヘッドホンは外してから就寝するようにしましょう。

音楽はなるべくスピーカーから流す

もし一人暮らしだったり、家族の迷惑になったりしないのであれば、音楽はイヤホンからではなく、スピーカーから流す方が効果的です。イヤホンによって常に耳から音が聞こえるという状況は、副交感神経活性化のアプローチとしては少々不適切だからです。

スピーカーから程よい音量で流れるようにしておくことで、意識しなくても自然と脳がリラックスモードに切り替わり、より眠りやすくなる効果が期待できます。

タイマー機能を活用する

音楽を聴く際には、タイマー機能を活用しましょう。

音楽が副交感神経を活性化させ、リラックス効果を発揮するのは、睡眠前のα波が出ている間に限られます。ですが、眠りに入ったら脳波はθ波(シータ波)やδ波(デルタ波)に切り替わってしまいます。つまり、入眠後も音楽が流れ続けている状態は、眠りを妨げ、睡眠の質を下げることになるのです。

ゆえに、睡眠前に音楽を聴く場合には、あらかじめタイマーをセットしてから寝床に入りましょう。もし、万が一そのまま寝てしまっても、勝手に音楽が止まるため、寝ている間中流れっぱなしになるのを防げます。

テンポや曲調が似たものを選ぶ

もうひとつ、音楽を流す際のポイントがあります。それは、複数の音楽を流す場合は、テンポや曲調が似たものをチョイスすることです。

説明したように、より安眠効果を高めるにはテンポやリズム、音階が一定で、ゆったりとしたものを選ぶのがコツです。けれども、同じ曲を何度もリピート再生すると、飽きてしまう人もいるでしょう。
そんな人は、テンポや曲調が似たものを複数選び、プレイリストを作ってリピート再生するのがおすすめです。オリジナルプレイリストを作成することで、特別感もあり、なおかつ「これを聴いたら寝る準備をする」というルーティンを作ることもできます。

自分が心地よく寝るために最も適した音楽を選び、少しでも快眠に近づけるよう工夫してみてください。

部屋の照明は暗くする

最後に、音楽を聴く部屋の環境も快眠効果を高めるために重要です。それは、部屋の照明をなるべく暗くすることです。

最近は技術の進歩によって、家庭用の照明にもブルーライトが採用され、夜でも昼間のように明るい室内で過ごせるようになりました。しかし、ブルーライトは脳に「まだ朝だから、眠らなくても良いよ」と勘違いさせ、寝る時間になっても眠れないという状態に陥りやすくさせます。加えて、私たちが日常的につい見てしまうスマホも、ブルーライトを発しています。

そのため、夜間はなるべくブルーライトではなく、暖色系の暖かい色味の照明を使うようにしましょう。暖色系の明かりはブルーライトのように覚醒を促す効果は弱く、睡眠への影響は少ないとされています。

特におすすめなのは、足元や家具の後ろから優しく照らす間接照明を活用することです。イメージは、ぼんやりと薄暗い、雰囲気の良い夜のレストランのような感じです。この照明に、上記で説明した自分だけの睡眠プレイリストがあれば、ムーディーで特別感のある夜を過ごすことができますよ。




まとめ

ヘッドフォンで音楽を聴いている女性今回は、寝る前に聴く音楽が快眠に効果を発揮するメカニズムと、正しい曲の選び方、そしておすすめの音楽について解説しました。

睡眠前に音楽を聴くと、副交感神経の活性化を促し、脳を落ち着かせてリラックスさせる効果があります。そのため、この状態で寝床に入るとスムーズに入眠することができ、睡眠の質を向上させることが期待できます。

「最近睡眠の質が悪い」「しっかり寝たのに寝た気がしない」といった不眠症状に悩んでいる人は、本コラムで紹介した方法を試して、安眠できるよう工夫してみてください。

よくある質問

Q.どうして寝る前に音楽を聴くと快眠に効果があるのですか?

A.音楽を聴くと、脳の興奮を鎮める副交感神経を活性化させる効果があります。この状態で寝床に入ることで、睡眠にスムーズに入って安眠しやすくなるのです。

Q.寝る前に聴くおすすめの音楽はなんですか?

A.1/fゆらぎを持った音楽がおすすめです。例えば、小川のせせらぎや小鳥のさえずり、波の音などの自然音や、クラシック音楽が良いでしょう。

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