医療の力で安眠を手にいれる、睡眠専門医による健康メディア

睡眠時無呼吸症候群の治療・治し方

睡眠時無呼吸症候群・いびきの改善方法をご紹介【5選】

  • ライター・監修者
  • ライター・監修者の新着記事
睡眠Dr. 編集部

睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

  1. 【2023年版】札幌のおすすめ睡眠外来クリニック10選

  2. 【実は迷信?】北枕に科学的根拠はあるのか徹底調査

  3. 寝る時の適正温度は何度?快眠できるエアコンの使い方と電気代

睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気?

睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気?

睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に何度も呼吸が止まったり浅くなったりする病気のことを指します。「呼吸が止まる」と聞くと、そのまま息ができずに窒息してしまうイメージを持つかもしれませんが、無呼吸自体によって窒息死を起こすわけではありません。
睡眠時無呼吸症候群の恐ろしい点は、日中強い眠気に襲われて事故や労災を引き起こしたり、心血管疾患や脳梗塞のリスクが高まったりすることです。「苦しい」や「痛い」といった自覚がほとんどない分放置されがちですが、治療をしないままでいると命を失う可能性もある恐ろしい病気です。

睡眠時無呼吸症候群の症状

次に、睡眠時無呼吸症候群の主な症状をお伝えします。自分や家族に当てはまっていれば、発症を疑いましょう。
寝ている間の症状としては、以下の通りです。

  • ・呼吸が止まったり乱れたりする
  • ・いびきをかく
  • ・夜中に何度も目が覚める
  • ・寝汗をかく

無呼吸やいびき以外にも、夜中に何度も目が覚めたり、寝汗をかいたりといった症状に悩まされることがあります。
それでも睡眠時無呼吸症候群を放置すると、しっかり眠れず体の疲れが取れないうえ、身体は酸素不足の状態が続いてしまいます。日中には、以下のような症状に悩まされることもあるでしょう。

  • ・起床時に頭痛や体のだるさがある
  • ・熟睡感がない
  • ・強い眠気がある
  • ・集中力が続かない
  • ・倦怠感や疲労感がある

日中のパフォーマンスが下がることで、業務や勉強の効率が下がります。さらに、眠気の強さによっては交通事故や労働災害にまでつながるため、命を失いかねません。実際、国内では睡眠時無呼吸症候群が関与した事故も多発していて、死傷者が出ています。
自覚しにくい病気なので軽く考えてしまう方も多いでしょうが、自分や周囲の人の命を守るためにも、できるだけ改善するように意識しましょう。

睡眠時無呼吸症候群の原因

では、どうして睡眠時無呼吸症候群に罹ってしまうのでしょうか?原因は様々で、そのうちのひとつが肥満です。

脂肪は、お腹周りや二の腕だけではなく、舌や喉の周辺にもついてしまいます。特に、女性に比べると男性は上半身が太りやすい傾向にあります。舌や喉の周辺についた脂肪は、空気の通り道を圧迫して狭くします。
結果、呼吸が止まったり浅くなったりすることが増え、睡眠時無呼吸症候群を発症してしまうのです。

肥満の他にも、以下のような要因が挙げられます。

  • ・顎が小さく、後方に引っ込んでいる
  • ・小顔
  • ・二重顎
  • ・舌や舌の付け根が大きい
  • ・扁桃腺肥大がある
  • ・ホルモンバランスの変化
  • ・飲酒・喫煙の習慣がある
  • ・筋弛緩作用のある睡眠薬を服用している

睡眠時無呼吸症候群の種類

次に、睡眠時無呼吸症候群の種類についてお伝えします。無呼吸が起こるメカニズムの違いにより、3種類に分けることができます。

①閉塞性睡眠時無呼吸症候群

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、上気道が物理的に閉塞することで呼吸に異常をきたします。睡眠時無呼吸症候群のほとんどが、このタイプです。
脂肪のつきすぎやアルコールの摂取しすぎなど、空気の通り道を防いでしまう要因を取り除くことで改善を目指せます。

②中枢型睡眠時無呼吸症候群

中枢型睡眠時無呼吸症候群は、呼吸中枢の異常が原因です。空気の通り道である上気道には問題がないのですが、「呼吸をしろ」という指示が脳から来ないために無呼吸状態になってしまうのです。
睡眠時無呼吸症候群の中でも、数%程度がこのタイプだといわれています。心不全など原因となる疾患が特定されていれば、そちらの治療を行います。

③混合型睡眠時無呼吸症候群

混合型睡眠時無呼吸症候群は、「中枢性」と「閉塞性」両方の要因が複合的にみられます。中枢性よりも発症率が高く、閉塞性より低いタイプです。
病気を引き起こす要因に合わせ、適切な治療を進めます。

睡眠時無呼吸症候群を自覚するには?

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が止まったり浅くなったりする病気だとお伝えしました。自分の意識がない状態で症状が出るため、自覚が難しい病気だといえます。

睡眠時無呼吸症候群を自覚するには、起きているときの状態を確認することが重要です。「熟睡感がない」・「強い眠気がある」といった日中の症状に心当たりはないでしょうか?
また、寝ているときの様子を家族やパートナーに確認してもらったり、睡眠アプリや録画でチェックしたりといった方法もあります。大きないびきや無呼吸が確認できたら、睡眠時無呼吸症候群を疑いましょう。

睡眠時無呼吸症候群・いびきは自力で改善できる?

睡眠時無呼吸症候群・いびきは自力で改善できる?

睡眠時無呼吸症候群やいびきを自覚したり、家族にうるさいといわれたりしたら、すぐに改善を目指したいものです。しかし、医者の力を借りずとも症状が軽くなることはあるのでしょうか?

結論からお伝えすると、睡眠時無呼吸症候群やいびきをある程度自力で改善することは可能です。しかし、完治までいくのは難しいといえるでしょう。専門的な知識がないと、睡眠時無呼吸症候群やいびきの原因を特定したり、根本から治療したりすることができないからです。

睡眠時無呼吸症候群・いびきが重度の方や、完治を目指したい方は、専門機関を受診しましょう。いびきは恥ずかしいことではないので、自力での改善を無理に目指すのではなく、専門家の手を借りるという選択肢も考慮してみてください。

睡眠時無呼吸症候群の改善については、以下の記事も参考になります。併せてお読みください。

【自力で改善】睡眠時無呼吸症候群・いびきの改善方法

【自力で改善】睡眠時無呼吸症候群・いびきの改善方法

ここからは、睡眠時無呼吸症候群・いびきの改善方法についてお伝えしていきます。
自力で改善できる方法からご紹介するので、まずは自分で症状を軽くしたい方はぜひ取り組んでみてください。

肥満の場合は減量する

肥満体型の場合は、まず減量から取り組んでみましょう。舌や喉の周辺についた脂肪が落とせるため、空気の通り道が広がって改善する可能性があります。

「そもそも自分が肥満なのかわからない」という方は、最初にBMIを確認してみるのがおすすめです。肥満度を表す指標として国際的に用いられる指標であり、「体重(kg)」÷「身長(m)の2乗」で算出できます。
日本肥満学会の定めた基準では、25以上が肥満に分類されます。計算して当てはまった方は、睡眠時無呼吸症候群・いびきの改善方法として減量が効果的だと考えられます。

減量するには、運動と食事の見直しが重要。とはいえ、誰しもが痩せようと思って簡単に痩せられるわけではありません。仕事や生活をしながら運動できる「ながら運動」を取り入れたり、間食を減らしたりなど、毎日できそうなことから取り組んでみましょう。

アルコールやタバコを控える

寝酒の習慣がある方は、量を減らすか飲むタイミングをずらしてみてください。寝る前のアルコール摂取はいびきをかきやすくしてしまうからです。
お酒を飲むと、呼吸に関係する筋肉が緩みやすくなります。さらに、アルコールを分解するために多くの酸素が必要となり、普段よりも激しい呼吸を行います。そのため、いびきをかきやすくなってしまうのです。

同様に、喫煙もいびきをかきやすくする要因です。
タバコに含まれる有害物質が鼻や喉に炎症を起こしてしまうので、禁煙を目指しましょう。

ただし習慣的なお酒やタバコは、やめたいのにやめられないと悩んでいる方もいるかもしれません。依存症の可能性があるので、アルコール依存症治療外来や禁煙外来の受診も視野に入れてみてください。

寝るときの体勢を変える

寝るときの姿勢を変えることで、改善される場合もあります。仰向けを避けることで舌が喉の奥に落ち込まずに、気道が塞がれなくなるからです。

ただし、寝たときの姿勢が起きるまで変わらないということはありません。寝返りをうつので、どうしても仰向けで寝てしまうタイミングがあります。
横向きやうつ伏せをサポートする枕も販売されているため、活用してみましょう。

いびき防止グッズを使う

市販されているいびき防止グッズを利用するのも効果的です。例として、口や鼻に貼るテープ、口周りを支えるマスク、マウスピースなどが挙げられます。

口に貼るテープは睡眠中に口が開くのを防いでくれるので、鼻呼吸を行えます。一方、鼻が鳴ってしまう鼻いびきが原因の場合、効果はありません。
いびきの原因が鼻なのか喉なのか見極めたうえで、適切ないびき防止グッズを購入することが大切です。

呼吸に関係する筋肉を鍛える

舌などの呼吸に関係する筋肉を鍛えれば、気道が塞がれにくくなります。睡眠中も舌を正しい位置でキープできるよう、筋力をつけましょう。
トレーニングの例としては、以下のようなものが挙げられます。

① まずは大きく口を開け、舌を思い切り突き出して10秒キープ。唇に舌が触れないように注意
② 次は舌の先端を右の口角に当て、10秒キープ
③ 同様に左の口角に舌の先端を当て、10秒キープ

①~③を1セットとし、連続10回を目安に行います。
以下のコラムでは、他にも様々なトレーニングをご紹介しています。ぜひ併せてお読みください。

【病院で改善】睡眠時無呼吸症候群・いびきの改善方法

【病院で改善】睡眠時無呼吸症候群・いびきの改善方法

次に、病院で取り扱う睡眠時無呼吸症候群・いびきの改善方法についてお伝えします。
重度の症状で悩んでいる方や、本気で改善したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

CPAP治療

睡眠時無呼吸症候群・いびきの改善方法として主流なのが、CPAP治療です。機械で圧力をかけ、鼻から気道に空気を送り込んで無呼吸を防止する治療法です。

CPAP治療には高い効果があるうえ、副作用もほとんどありません。使用したその日から日中の眠気などが軽減されるでしょう。
ただし根本的な治療ではなく、機械を使わなければ再度症状に悩まされます。また、慣れるまで時間がかかったり、通院やレンタル料が必要だったりといった面もあります。

ナステントやマウスピースの使用

鼻にチューブを挿入し、気道を確保するのがナステントです。人肌のように柔らかい素材を採用しているため、違和感を抑えられます。それでも、人によっては不快感や痛みが生じてしまうことがあります。

一方、マウスピースは上と下の歯を固定することで気道を確保する器具です。睡眠時無呼吸症候群の診断が適応されれば、保険適用になります。ただし、顎関節などに問題がある方には難しいでしょう。
また、ナステントもマウスピースも、CPAP治療と同じく根本的な治療ではありません。

薬による鼻づまりの治療

いびきの原因が、風邪やアレルギー性鼻炎による鼻づまりであるケースもあります。この場合、薬で鼻づまりを改善することでいびきも治る可能性があります。

普段から鼻がつまっていて口呼吸になっていたり、鼻水やかゆみで困っていたりする人は、一度耳鼻科に相談してみましょう。

外科的手術

いびきの外科的手術は、口蓋垂軟口蓋形成術や上下顎前方移動術など、いくつか種類があります。いずれも睡眠時無呼吸症候群・いびきの原因となる部位を切除したり、位置をずらしたりすることで改善を目指します。

効果は期待できますが、術後の痛みや再発などのリスクもあるため、外科的手術に関しては慎重に検討することが大切です。

パルスサーミア

パルスサーミアとは、レーザー治療の一種です。気道を塞ぐ口蓋垂や軟口蓋をレーザー照射によって引き締め、気道を広げます。

従来のレーザー治療とは異なり、強い痛みや長いダウンタイムといったデメリットを解消した、最新の治療法です。CPAP治療やナステントへの抵抗感が強かったり、痛みに弱かったりする人にとってはぴったりでしょう。
ただし、自由診療なので保険適用にならないという面もあります。

【まとめ】睡眠時無呼吸症候群・いびきを確実に改善するなら病院へ相談しよう

【まとめ】睡眠時無呼吸症候群・いびきを確実に改善するなら病院へ相談しよう

睡眠時無呼吸症候群・いびきの改善方法についてお伝えしました。
睡眠時無呼吸症候群・いびきは、自力での改善に限りがあります。迷っている場合は、悪化する前に専門機関へ相談してください。睡眠時無呼吸症候群・いびきの原因を見つけ出し、一人ひとりに合った治療法を提案してくれます。
対応しているのは耳鼻咽喉科が多いですが、最近ではいびき外来や睡眠外来も充実しているので、ぜひお近くの病院をお探しください。

よくある質問

Q.睡眠時無呼吸症候群やいびきは自力で改善できますか?

A.ある程度自力で改善することは可能です。しかし、専門家のサポートなしで完治までいくのは難しいといえます。 睡眠時無呼吸症候群・いびきが重度の方や完治を目指したい方は、専門機関を受診してください。

Q.睡眠時無呼吸症候群・いびきは病院でどのように改善していきますか?

A.睡眠時無呼吸症候群・いびきの改善方法としては、以下のようなものが挙げられます。 ・CPAP治療 ・ナステントやマウスピースの使用 ・薬による鼻づまりの治療 ・外科的手術 ・パルスサーミア

  • ライター・監修者
  • ライター・監修者の新着記事
睡眠Dr. 編集部

睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

  1. 【2023年版】札幌のおすすめ睡眠外来クリニック10選

  2. 【実は迷信?】北枕に科学的根拠はあるのか徹底調査

  3. 寝る時の適正温度は何度?快眠できるエアコンの使い方と電気代

この記事へのトラックバックはありません。

RANKING

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

RECOMMEND

RELATED

PAGE TOP