いびき

【予算別】いびき治療方法4選

2022.11.01
いびきは、自分では気にならなくても、一緒に住んでいる家族やパートナーから指摘されることで気付かされることが多いでしょう。 たかがいびきと思われるかもしれませんが、詳しく検査をすると思わぬ病気が潜んでいることもあるため、気になる方は適切な治療をうけることがおすすめします。 ここでは、いびきの主な治療内容を4つ、具体的に紹介します。 適応される人はどのような人なのか、いびきをかきやすい人の特徴などについても詳しく解説しています。 いびきを指摘されて気になっている方、いびきの治療内容について知りたい方はご参照ください。

いびきの治療方法①CPAP

CPAPは、鼻にマスクを装着し、空気を流すこと通り道を確保する治療方法です。機械から流れてくる空気圧によって、気道に落ちた舌を上に押し上げることで通り道が広がるので、いびきの軽減・消失に効果があります。

CPAPが適応される人や、メリット・デメリット、費用などについて解説します。

CPAPは睡眠時無呼吸症候群の中等症以上の人が対象

睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に呼吸が弱まったり、止まったりすることで体内の酸素量が減り、さまざまな合併症を引き起こす病気です。

症状には、いびきや無呼吸、日中の眠気などがあり、同居している家族からいびきを指摘されて気付くことも多いと言われています。

詳しく検査をして、睡眠無呼吸症候群と診断された患者さんのうち、中等症以上の人がCPAP治療の対象です。
睡眠時無呼吸症候群の重症度は、以下の無呼吸指数によって分けられています。

重症度 無呼吸指数
軽症 5以上15未満
中等症 15以上30未満
重症 30以上

無呼吸指数とは、1時間のうち低呼吸や無呼吸を起こした合計回数を言います。つまり、CPAPの適応となるのは、1時間に15回以上、低呼吸や無呼吸を起こしている患者さんであると言うことになります。

CPAPのメリット

CPAPのメリットについて解説します。

装着したその日からいびきが減少する

いびきの原因となる舌が気道に落ちる現象は、CPAPによって解消します。いびきの原因が解消されることから、即効性のある治療方法であると言えます。

ぐっすり眠れる

呼吸が安定するため、ぐっすり眠れるようになります。

重大な合併症が予防できる

睡眠時無呼吸症候群は、主に血管系に合併症を引き起こしやすく、心不全や脳梗塞など命に関わる病気が多いです。
CPAPの導入により、いびきや無呼吸を解消することで呼吸が安定し、体内の酸素不足やストレスを軽減できるため合併症予防につながります。

CPAPのデメリット

次に、CPAPのデメリットについて解説します。

慣れるまで眠りにくい

鼻にマスクを装着した状態で寝るため、違和感が強く寝付きにくいと感じる人が多いようです。

鼻周辺が赤くなる

マスクが適切な位置でないことや、ベルトを締め過ぎることで鼻周辺が赤くなることがあります。
装着後、横になると位置が変わるため、再度微調整しましょう。

空気を飲んで腹が張る

CPAPから流れてくる空気を飲むことで胃に入り、お腹が張る人がいます。
お腹が張ってしまう場合は、空気圧が強すぎる可能性があるため、医師に相談しましょう。

一定期間継続しなければならない

CPAPはいびきの根本的な治療にはなりません。生活習慣を見直したり、扁桃腺の腫れなどの原因を取り除いたりするまでの間、継続して装着が必要です。

CPAPの費用

CPAPは医療保険が適用されます。基本的には、1か月に1回診察が必要になるため、診察代+CPAPのレンタル料金で、月々5,000円ほど費用がかかります。

CPAPはレンタルする人が一般的ですが、治療が長期になる場合や、レンタルに抵抗がある方は購入も可能です。
機械の費用は、海外製のもので15〜40万円かかると言われています。

いびきの治療方法②マウスピース

マウスピースは、舌が気道へ落下することを予防し、空気の通り道を確保することでいびきの改善を図る治療方法です。
歯科医院での作成が必要になりますが、CPAPと比較すると大がかりなものではなく、慣れるのに時間はかからないでしょう。
マウスピースが適応される人やメリット・デメリット、費用について解説します。

マウスピースは睡眠時無呼吸症候群の軽症者が適応

無呼吸指数が5回以上15回未満の軽症者に適応される治療方法です。その他にも、CPAPの違和感が強く、継続が困難な人や、CPAPを離脱する人に使用されることがあります。

軽症者にとっては、中~重症者にとってのCPAPと同様の効果が得られると言われています。

マウスピースの種類

マウスピースは上下の顎が一体になっているものと、分離するものの2種類あります。

・上下顎一体型
保険適用され、比較的安価で作成可能なのが最大のメリットです。
サイズが小さく、持ち運びに便利であるため、旅行先でも使用できるのが魅力のひとつでしょう。

一方で、装着してしまうと口が開かなくなる、違和感が強いなどのデメリットがあります。

・上下顎分離型
圧迫感や違和感が少ないこと、装着したままでも会話や飲水も可能なことがメリットです。

一方で保険適応外なことから、費用が高額なのがデメリットです。また一体型と比べると大きく分厚いことも難点と言えるでしょう。

マウスピースの費用

保険適用のマウスピースは、3割負担の人で15,000円ほど費用がかかります。
ただし、保険適用で作成するには以下の条件が必要です。

  • ・睡眠時無呼吸症候群と診断されている
  • ・作成できるのは上下一体型のマウスピースのみ

一方、上下分離型マウスピースは、およそ17万円が相場です。

マウスピースについてはコチラの記事でも解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

いびきの治療方法③手術

いびきの原因によって、手術が適応されることがあります。
それぞれの手術内容について、解説します。

口蓋軟口蓋咽頭形成術(UPPP)

のどから気道までの間にある、口蓋垂や軟口蓋などを取り除く手術です。もともと舌や口蓋垂が大きい人が適応になります。
手術は全身麻酔で行われ、入院期間はおよそ1週間としている病院が多いです。

睡眠時無呼吸症候群と診断された患者さんの、50~60%に有効な治療方法だと言われています。

口蓋扁桃摘出術・アデノイド摘出術

鼻の奥からのどにかけた部分にできるリンパのかたまりを、アデノイドと言います。
アデノイドは2歳頃から大きくなり、6歳でピークを迎えてから小さくなるのが一般的です。そのためアデノイド摘出術を受けるのは、子どもの睡眠時無呼吸症候群に多いです。

扁桃腺摘出・アデノイド摘出いずれも、入院期間は1週間程度であり、手術は全身麻酔で行われます。

レーザー波治療

近年はレーザーを使用して口蓋垂や軟口蓋を取り除いて、再形成する手術が行われるようになりました。
レーザー波治療の特徴は以下の通りです。

  • ・メスを使わない
  • ・痛みが少ない
  • ・傷口を縫わない
  • ・90%の患者さんにいびき改善の効果がある

手術は短時間で済み、入院の必要はありません。
ただし、いびきは改善されても睡眠時無呼吸症候群が治るものではないと言われています。病院によっては術前に検査を行い、睡眠時無呼吸症候群ではないことを確認してから行うところもあります。

手術の費用

UPPPや扁桃腺・アデノイド摘出術は、患者さんの状態によって使用される機材や薬が異なり、費用も変わってきます。具体的な費用を知りたい方は、手術を受ける病院に問い合わせましょう。

レーザー波治療は保険適用され、3割負担の場合でおよそ30,000円が相場です。

いびきの治療方法④鼻チューブ

12~14cmほどのチューブを鼻に挿入することで空気の通り道を確保し、いびきを改善する方法です。
医療現場でも、気道確保を目的に鼻にチューブを挿入することがあります。鼻チューブは、医療現場だけでなく一般でも使用できるようにしたもの、と言えるでしょう。

鼻チューブが適応される人やメリット・デメリット、費用などについて解説します。

鼻チューブのメリット

鼻チューブのメリットについて解説します。

・自宅で特別な機械を使うことなくいびきを止めることができる
寝る前に鼻にチューブを挿入するだけでいびきが改善されます。操作は簡単であり、利用しやすい手段と言えるでしょう。
ただし、最初は自分でチューブを挿入するのが怖い人もいるかもしれません。
・コンパクトなため旅行先でも使える
チューブは12~14cmほどでコンパクトであること、1本ずつ個別に包装されていることから、持ち運びしやすいです。そのため、旅行先でも利用しやすいでしょう。

鼻チューブのデメリット

次に、鼻チューブのデメリットについて解説します。

・値段が高い
鼻チューブは7個入りでおよそ3,000円です。使い切りとなるため、毎日使用すると1カ月でおよそ12,000円かかります。
・挿入時の痛みや違和感がある
チューブの袋の中には、あらかじめ挿入しやすいように潤滑剤が付いています。
それでも、慣れるまでは挿入に手間取り、鼻の壁に当たると痛みが出ることもあります。挿入後もチューブが入っているような違和感がある人もいるようです。

鼻チューブの費用

鼻チューブを使用するには、取り扱っている医療機関に受診し、処方箋が必要になります。
保険適用にはならないため、処方箋発行手数料に3,000~5,000円かかります。基本的に処方箋は初回のみの発行でよいとされていますが、鼻チューブの長さを変更したい場合は再度発行が必要になるため、注意しましょう。

その他、チューブの費用が1カ月およそ12,000円かかります。

いびきの原因は上気道が狭くなること

いびきは、空気の通り道が何かしらの原因により狭くなることで発生します。気道が狭くなると気流が速くなり、粘膜を振動させます。粘膜が振動した音がいびきの正体です。
いびきの原因として考えられているのは、主に以下の2つです。

  • ・舌が気道を塞いでいる
  • ・肥大した扁桃腺やアデノイド

詳しく解説します。

いびきの原因①舌が気道を塞いでいる

気道を狭くしている原因として、舌が落ちていることが挙げられます。
寝ているときは筋肉が緩み、舌が落ちてしまいがちです。元々日本人は、骨格の構造上舌が落ちやすいと言われているのもあるでしょう。あごの骨格が小さい分、舌が後ろに位置しやすいのです。
加えて肥満や飲酒、睡眠薬の服用などの生活習慣が重なり、より舌の筋肉が緩むことで、いびきが発生しやすくなります。

いびきの原因②アデノイド

アデノイドとは、鼻の奥からのどにかけてできるリンパのかたまりを言います。年齢があがるにつれて小さくなっていくため、子どものいびきの原因になっている場合が多いです。

睡眠時無呼吸症候群を発症するほど、身体に影響が出る大きさの場合は、手術で取り除くこともあります。

いびきをかきやすい人の特徴

いびきをかきやすい人には、以下のような特徴が見られます。

  • ・肥満
  • ・あごが小さい
  • ・中高年
  • ・閉経後の女性

なぜこれらの特徴がいびきとつながるのか、理由を詳しく解説します。

肥満

肥満の人は、脂肪があごにつくことで気道を圧迫し、いびきをかきやすくなります。

さらに、男性は上半身に脂肪がつきやすいと言われていることから、肥満の男性はいびきをかきやすいと言えるでしょう。

あごが小さい

あごが小さいと舌が気道に落ちやすくなります。
欧米人と比較すると、日本人は肥満でなくてもいびきをかく人が多いことから、あごの大きさが影響していると考えられています。

中高年

中高年では、あごの筋力が落ちることで寝ている間に舌が下がってしまいます。
女性に関しては、後述する閉経も重なり、中高年でイビキが多いと考えられるでしょう。

閉経後の女性

女性ホルモンの一種であるプロゲステロンは、のどの筋肉を活発に動かしています。しかし閉経後、プロゲステロンが減少することで、あごの筋肉が痩せてしまいます。筋肉が痩せることで舌が気道に落ちやすくなり、いびきをかくようになります。

今までいびきに悩まなかった女性でも、年齢を重ねるにつれていびきをかくようになる可能性が考えられます。

いびきの種類

いびきには、散発性と習慣性の2種類あります。それぞれ詳しく解説します。

散発性いびき

普段いびきをかかない人が、そのときだけかくいびきのことを言います。
原因は以下の通りです。

  • 疲れているとき
  • アルコールを摂取したとき
  • 扁桃腺が腫れているとき
  • 花粉症で鼻が詰まっているとき

いずれも常にあるものではなく、一時的な原因と言えるでしょう。
基本的に病気が考えられるようないびきではないため、上記のような原因を取り除くことで改善することが多いです。

習慣性いびき

毎晩寝ているときに、常にかくいびきのことを言います。
習慣性いびきは、さらに2種類に分類されます。

  • ・単純いびき:日中の眠気や起床時の倦怠感などを伴わないいびきです。睡眠の質には問題ないとされています。
  • ・睡眠時無呼吸症候群のいびき:呼吸が安定せず、体内の酸素量が低下したり、睡眠の質が悪くなったりと、さまざまな影響が出るいびきです。この場合は、早期に検査を受け、必要に応じて治療を開始するのがおすすめです。

まとめ

いびきの治療には、主にCPAP、マウスピース、手術、鼻チューブの4種類があります。いびきの原因や病気が隠れていないかなどで、適応される治療方法が異なります。
いびきには、健康に影響がないものと、日常生活に支障をきたすものがあり、後者には注意が必要です。
特に睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、治療をして早期に改善しなければ、重大な合併症を起こす危険があります。

いびきが気になる人は、音だけでなくいびきの原因について考え、他に気になる症状がないか振り返ってみましょう。
適切な治療を受けることで、いびきの改善や心身の健康につながります。

よくある質問

Q.いびきの治療にはどのような方法がありますか?

A.睡眠時無呼吸症候群と診断されている場合は、CPAPでの治療が一般的です。軽症の方や、診断はしていないけれどいびきが気になる方は、マウスピースを作成して寝る前に装着する方法があります。
その他、いびきの原因が扁桃腺やアデノイドの場合は、手術で取り除くこともあります。

Q.いびきをかきやすい人の特徴はありますか?

A.いびきの原因は、空気の通り道である気道を何かしらの障害物で塞がれてしまうことです。何かしらの障害物とは、舌が気道に落ちてしまうことや、脂肪により外側から圧迫されること、骨格の問題などを指します。そのため、肥満を指摘されている人、飲酒や睡眠導入剤を服用している人、あごの骨格が小さい人などがいびきをかきやすいと言えます。