いびき

【防止策】いびきと歯ぎしりの関係性について

2022.10.30
睡眠中にいびきをかいたり歯ぎしりをしてしまったりする人は少なくないでしょう。しかし、睡眠中のいびきや歯ぎしりは無意識に起こっているので自分では気づいていない人も多いはず。 しかし、いびきや歯ぎしりは睡眠の質を下げる原因となります。 いびきや歯ぎしりが悪化すると、日中眠くなったり疲れやすくなったりと、日々の生活に大きな影響を与える可能性も。 また、いびきや歯ぎしりをずっと治さないでいると、最悪の事態にもなりえます。 そんな睡眠中のいびきと歯ぎしりにはいったいどんな関係性があるのでしょうか。 今回はいびきと歯ぎしりの関係性について解説します。 いびきや歯ぎしりの防止対策も紹介しているので、ぜひ最後まで見ていってください。

いびきと歯ぎしりのメカニズムと原因は?

無意識に起こってしまういびきと歯ぎしり。そもそもどのようにしていびきや歯ぎしりは起こるのでしょうか。また、何が原因で引き起こしてしまうのでしょうか?ここではいびきと歯ぎしりの原因をそれぞれ解説していきます。

いびきのメカニズムと原因は?

いびきは鼻やのどのなどの軌道がせまくなったところを、呼吸するときに空気が無理やり入って通り抜けようとする際に音が鳴る物理的な現象です。

窓が全開のところに風が吹き込んできても音はしませんが、窓をちょっとだけ開けた状態だとビュービュー音がする、という状況に置き換えるとわかりやすいかもしれません。

いびきをかきやすいのはどんな人?

主な原因は身体的なもので、骨格や体型が大きく影響してきます。骨格的に顎の小さい人、舌やのどちんこの大きい人、扁桃腺が腫れやすい人は特にいびきが出やすいです。

また、肥満も大きな原因です。太ってしまうと首周りなど体内に脂肪がつき、それによって気道が狭くなり、よりいっそういびきをかきやすくなります。

しかし、やせているからといっていびきをかかないわけではありません。見た目はスリムな体型でも体内に脂肪がついている人はたくさんいます。

また、シャープな顔つきでも生まれつき舌やのどちんこが大きい人、咽頭扁桃(いんとうへんとう)という鼻の奥のリンパ組織が肥大するアデノイド増殖症によっていびきをかく人もいます。

さらに、子供のときに歯の矯正をしたことにより物理的に顎が小さくなって、いびきが出やすくなってしまうというケースもゼロではありません。

そして、年を重ねるにつれていびきをかく人の割合は上昇していきます。その理由は、私たち人間は年をとると筋肉が衰えていきますが、それが舌にも影響してくるからです。

舌の筋肉が衰えてしまうと、舌がのどの奥に入ってしまう舌根沈下(ぜっこんちんか)という現象をまねき、気道が狭くなっていびきが出ます。これはやせている、太っている人に関係なく、年をとれば誰にでも起こることです。

いびきをかくのは圧倒的に男性が多いことを知っている人は多いかもしれませんが、女性だからといて油断は禁物です。女性の場合は閉経後に急激にいびきをかきやすくなります。理由は女性ホルモンの減少によって相対的に男性ホルモン優位になり、男性化が進むからです。

そのため、50歳前後の年代で更年期を迎えた女性は、知らず知らずのうちにいびきをかきやすくなっていることを認識しておくといいかもしれません。

いびきは現代の医学では解明されていないことがたくさんあるかもしれませんが、明らかになっているいびきの原因を排除していくことでいびき防止につながるでしょう。

歯ぎしりのメカニズムと原因は?睡眠中の歯ぎしりは危険?

歯ぎしりとは、無意識のうちに歯をこすり合わせたり歯を食いしばったりして、上下の歯が必要以上に接触している状態のこと。歯ぎしりはブラキシズムとも呼ばれます。歯ぎしりは睡眠時ブラキシズムと覚醒時ブラキシズムに分けられます。

睡眠時ブラキシズムはゴリゴリ、ボリボリと不気味な音をたて、睡眠中の大脳の興奮によって起こります。これは子供に多いのですが、顎や生える歯の位置を決めるためのものなので心配はいりません。

ただし、成人の場合はストレス・遺伝・特定の薬の副作用・飲酒・喫煙・特定の病気など、さまざまな原因で起こるといわれています。

一方、覚醒時ブラキシズムは会話や咀嚼するとき以外のかみしめや、上下の習慣的に接触させるなど、さまざまな条件によって引き起こされる癖であると言われています。覚醒時ブラキシズムも睡眠時ブラキシズムと同様、ストレスをはじめさまざまな原因が関係しています。

覚醒時ブラキシズムについては、自分が無意識のうちに噛み締めたり、上下の歯を接触させたりを自覚することで改善しますが、睡眠時ブラキシズムはそうはいきません。

寝ている間、人間は基本的に無意識です。無意識の状態では、人間は力をコントロールすることができません。なので、意識して治そうと思ってもなかなか難しいです。

寝ているときの私たちの口の中では、昼間に思いっきり奥歯で噛む力の10倍の噛む力があると言われています。そして、その状態で歯ぎしりをするので、歯や顎の骨に対する負担はとてつもなく大きなものになります。

人間の歯は縦の力には強く、横の力には弱いです。破壊的な噛む力が発生している状態で起こる歯ぎしりによって、私たちの歯に大きな負荷を与えています。

ただし、上下の顎の位置が正しいところにあり、歯ぎしりをしても前歯が当たって奥歯が空くという正しい噛み合わせの状態で、寝ている間の歯ぎしりをしていればそれほど問題はないかもしれません。

しかし、顎がずれてしまっていると、奥歯で歯ぎしりが起きてしまい、破壊的な噛む力がかかります。そうなると次第に歯や骨を壊し、詰め物が取れたり被せ物が外れたりといった小さなことから、虫歯や歯槽膿漏、顎関節症といったさまざまなトラブルの原因にもつながりかねません。

噛み合わせが始まるのはだいたい、歯が生え揃った15歳前後からです。その後、噛み合わせを気にしない歯科治療によって徐々に噛み合わせがずれていき、早い人だと20〜30代になるとガタガタッと口のトラブルに見舞われる可能性も。

このように噛み合わせは顎が正しい位置にあるかどうかが重要。噛み合わせが正しくない場合、寝ているときに日中ずれていた顎の位置が本来の位置に少し戻り、その結果奥歯だけで歯ぎしりが起きてしまいます。
参考:白濱龍太郎「睡眠専門医が考案したいびきを治す方法

いびきと歯ぎしりはどんな関係性がある?

いびきと歯ぎしりには密接な関係があります。いびきをかいたり歯ぎしりをしたりするのが習慣化になり、悪化してしまうと睡眠時無呼吸症候群(SAS)という病気になる可能性が高まります。

実際、”睡眠時無呼吸症候群と診断された小児を対象に調べたブラジルからの報告では、8割にいびき症状があり、3割に歯ぎしりが認められた”そう。また、”ポルトガルの小学生約1000人を対象としたアンケート調査でもいびきがある人に歯ぎしりが多い”ことが示されています。

”睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に10秒以上呼吸が停止して、無呼吸の状態が何度も繰り返し生じる疾患です”。睡眠中に無呼吸がおきると、体が低酸素状態に陥ります。無呼吸による低酸素状態が毎晩、もしくは年中続くと、心臓や血管系の病気やさまざまな生活習慣病と関連してきます。

体が低酸素状態になると脳が防衛反応で目覚めて、呼吸が再開します。この状態が繰り返し続くと熟睡できずに睡眠不足の原因に。そのため、日中にいきなり強い眠気におそわれる、倦怠感、起床したときに頭が重い、気分が落ちこむなど、生活に支障をきたします。

また、仕事や勉強がはかどらないなど、作業能率が下がり、性格上の変化をきたすことも。さらに、運転による交通事故の調査によると、その事故率は約2.6倍以上にも上昇するといわれているそうです。

睡眠中に無呼吸になるのは、空気の通り道である気道が塞がってしまうのが原因です。のど周りの気道が塞がってしまう主な原因は肥満。体重が増加することによってのどに脂肪が蓄積して気道が狭くなり、あおむけで寝ることでさらに気道が狭まるからです。

睡眠時無呼吸症候群になる原因は前述したいびきをかく原因と同じです。そして、歯ぎしりをする人の多くが睡眠中の無呼吸や低呼吸のときに観察され、睡眠中の無呼吸や低呼吸が増加するにつれて、歯ぎしりの頻度が増加する傾向にあります。

このようにいびきをかいたり歯ぎしりをしたりする人は睡眠時無呼吸症候群の人に多いことがわかります。 また、睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に無呼吸や低呼吸をおこし、日中の眠気や集中力の低下を起こします。これもいびきをかいたり歯ぎしりをしたりする人によく見られる現象です。

いびきと歯ぎしりには密接な関係があります。いびきや歯ぎしりで悩んでいる人は、眠時無呼吸症候群の可能性が高いと考えていいかもしれません。
参考:百田昌史「歯科医だからわかった睡眠呼吸障害の治し方 お口の専門家

いびきと歯ぎしりの防止対策は?

いびきや歯ぎしりで悩んでいる人は少なくないと思います。また、いびきや歯ぎしりで悩んでいなくても今後発生してしまう可能性もあります。ここではいびきと歯ぎしりの防止対策を紹介します。

歯科医院で治療を受ける

いびきや歯ぎしりの防止対策で重要なのは歯科医院で治療を受けることです。特にいびきや歯ぎしりの症状が重度ならなおさらでしょう。

睡眠中のいびきや歯ぎしりは無意識に起こっていることなので、自分では気づいていないかもしれません。実際、それまで自覚が全くなく、周囲の人に言われて初めて気づく人も少なくないです。

自分では気づかなくても、十分に睡眠をとったのに日中眠くなる、疲れやすい、仕事に集中できないといった日が続くようであれば、睡眠時にいびきや歯ぎしりが起こっている可能性が高いです。

歯科医院ではマウスピース療法や噛み合わせの治療などがあります。マウスピース療法は自分の歯に合わせてマウスピースを作ってくれます。就寝時に装着して歯ぎしりやかみしめの力を緩和し、口腔内や顎関節にかかる負担を軽減できます。マウスピースは保険を適用できるのでおすすめです。

噛み合わせの治療は、物理的に噛み合う歯の部分に偏りがないか検査し、必要であれば高さを調節してくれます。噛み合わせの治療は、効果を実感するまでに時間がかかり、1度バランスが崩れると元に戻るまでが大変なので、どうしても必要と考えられるときにだけ、しっかりと検査や診断をしてから行うことをおすすめします。

歯科医院ではマウスピースを使って気道を確保するお手軽な方法から、外科的な手術によって問題のある箇所の切除を行う方法や様々な方法で治療をしてくれます。いびきや歯ぎしりで悩んでいる人は歯科医院で診察を受けて対策していきましょう。

市販やAmazonでマウスピースを購入する

いびきや歯ぎしりが軽度であれば、市販やAmazonなどのネットショッピングでマウスピースを購入して対策しましょう。

マウスピースは、いびきや歯ぎしりの防止のサポートに最適。いびきや歯ぎしりは舌根沈下によって引き起こされます。舌根沈下の原因は、口呼吸・肥満・筋肉の衰え・女性ホルモンの減少など。マウスピースを使うことで口呼吸を防いだり、舌を物理的に固定したりして舌根沈下を予防できます。

舌根沈下についてはコチラの記事ても解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

マウスピースは医療用だと完成までに数週間かかりますが、市販品は購入後すぐに使えます。ただし、市販品は形やサイズの微調整ができないことが多く、できたとしても自分自身で行わなければなりません。

市販だと主にドラッグストアでよく売られています。市販で買うとどれを買おうか迷った時に、店内にいる専門薬剤師さんがいるので相談して決めることができます。

一方、マウスピースはAmazonで購入する人が多いです。市販と比べて種類が豊富ですが、実際に商品を見ることができないので、購入後サイズが合わないといったことも考えられます。Amazonのマウスピースは安いものだと1000円前後で買えるのでとてもお手頃です。

このようにいびきや歯ぎしりで悩んでいる人は重度であれば歯科医院で治療してもらい、軽度であれば市販やAmazonのマウスピースで対策しましょう。自分で買ったマウスピースを使用しても治らない場合は早めに歯科医院で診察してもらうことをおすすめします。

まとめ

今回はいびきと歯ぎしりの関係性や対策防止を解説してきました。いびきと歯ぎしりで悩んでいる人の多くが睡眠時無呼吸症候群になっています。いびきと歯ぎしりは一見、無縁のように思えるかもしれません。しかし、実際は密接な関係があります。もしいびきや歯ぎしりが原因で日々の生活に影響が出ているなら、早めに対策していきましょう。

よくある質問

Q.いびきや歯ぎしりによって引き起こされる症状は?

A.日中にいきなり強い眠気におそわれる、倦怠感、起床したときに頭が重い、気分が落ち込むなどの症状を引き起こします。

Q.いびき対策と歯ぎしり対策のマウスピースの違いは?

A.いびき対策のマウスピースは下顎を前方に調整するのに対し、歯ぎしり用は歯を保護するのが目的です。