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【レーザーなのに痛くない?】話題のいびき治療パルスサーミアとは?

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田沼 欣樹(たぬま よしき)

防衛医科大学校卒業/初期研修後、大手美容クリニックの勤務を経て医療法人社団紡潤会に入社。いびきや睡眠時無呼吸症候群(sas)は合併症を生じやすく、健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療が大切です。いびきやsasに悩む方へ、パルスサーミアで快眠と健康を手に入れて欲しいをモットーに取り組んでいます。

  1. 【あなたはどれくらい?】睡眠時無呼吸症候群の重症度について

  2. 【睡眠時無呼吸症候群とは?】原因や睡眠への影響について解説

  3. 【いびきを止める方法】対処法5選を原因別にご紹介

パルスサーミアって何?

ノートパソコンの前で考える男性まずは、パルスサーミアがどのような治療法なのか、解説していきます。

パルスサーミアとは

パルスサーミアとは、いびき・睡眠時無呼吸症候群の改善を行う最新のレーザー治療です。

いびきや無呼吸は、気道がさまざまな原因によって狭くなり、呼吸が妨げられることによって発生しますが、パルスサーミアでは、気道を塞ぐ口蓋垂(こうがいすい:いわゆる喉ちんこ)や軟口蓋(なんこうがい)の粘膜のゆるみをレーザー照射によって取り除くことで気道を広げ、いびき・無呼吸の解消を目指します。

一般的に行われるいびき・睡眠時無呼吸症候群の治療法については、こちらの記事で解説しています。

パルスサーミアのメリット

meritのブロックでは、パルスサーミアは従来の治療法と比べてどのような点が優れてるのでしょうか?

器具の装着が不要

まずは、大掛かりな装置や器具の装着が不要なことです。

パルスサーミアはレーザーを使用した外科手術ですので、CPAP治療やマウスピースのように長期間装置や器具をつける必要はありません。

そのため、わざわざ毎回寝る前に装置や器具を準備しなくても良いし、旅行や出張などがある度に持ち運ぶ必要もありません。そして、特にCPAP治療で大きなデメリットだった、「マスクが大きくて目立つため、つけているところを他人に見られると恥ずかしい」といった見た目への影響もないです。

このようにパルスサーミアは、医療機関内ですべての施術が完結するため、日常生活において治療による不便さ・不自由さをほとんど感じずに過ごすことができます。

術後の出血や痛みがほとんどない

パルスサーミアは、レーザーを使用しているにもかかわらず、手術による出血や痛みをほとんど感じません。

従来の外科手術では、メスやレーザーなどで口蓋垂や軟口蓋を切り広げる施術を行っていたので、ひどい出血や痛みを伴っていました。また、痛みが少ないとして開発された「ナイトトレーズ」においても、レーザーを照射した粘膜が火傷のように腫れ上がってしまうため、患者の負担が大きいのが実態です。

しかし、パルスサーミアで使用するレーザーは特殊仕様なので、炎症をできる限り抑えながら粘膜を引き締めることが可能になりました。特殊仕様のレーザーによって術後の出血や痛み、腫れなどを最小限にすることができます。さらに、手術時の麻酔もスプレータイプのものを使うため、麻酔による痛み・違和感も少なくなるよう配慮されています。

ダウンタイムも数日で終了

パルスサーミアは、術後のダウンタイムもたった数日で済みます。

従来のレーザー手術では、術後に痛みや腫れ、違和感などが見られるダウンタイムがあります。この期間は、食べ物が飲み込みづらくなるため、いつも通りの食事ができなくなる食事制限や、運動を控えるなど行動制限があります。しかも、数週間はダウンタイムが続くため、日常生活にもかなりの支障をきたし、患者にとってはかなりの苦痛を感じるものでした。

これに対してパルスサーミアは、術後の痛みや腫れもほぼ見られず、違和感も少ないため、ダウンタイムは数日で終了します。さらに、刺激物を避ければ通常通りの食事も問題なくできるため、術後もストレスが少なく過ごすことができます。

手術時間はわずか15分

パルスサーミアの施術時間は、わずか15分程度です。

従来の外科手術では、施術に多くの時間を要し、かつ入院の必要もありました。加えて、長いダウンタイムもあったため、手術期間中は長期間会社を休まねばならず、仕事にも影響を及ぼしてしまうケースが多いのが実情でした。

ですが、パルスサーミアの施術時間はたったの15分〜20分程度なので、日帰りでの手術が可能です。しかも、術後の痛みなどがほとんどないため、徒歩で帰宅することができます。

ゆえに、何日も仕事を休んだり、会社を辞めたりする必要はありません。毎日仕事で忙しいサラリーマンや、家事に追われる主婦でも臨みやすい治療法だといえるでしょう。




パルスサーミアのデメリット

頭を抱える男性しかし、パルスサーミアにも治療を受ける際に気をつけてほしいデメリットがあります。

治療を受けられない場合もある

パルスサーミアは、どんな人でも施術を受けられるわけではありません。

例えば、いびき・無呼吸の原因として最も多いとされる重度肥満の人は、治療を行う前に肥満解消治療を勧められる場合があります。また、いびきの原因が鼻の詰まりや鼻中隔の変形などによる場合でも、レーザーによる気道拡張よりも鼻疾患の治療を優先されるケースもあります。

さらに、いびき・無呼吸がかなり重症だと診断された場合には、CPAP治療などのより定番で一般的な方法を推奨されることもあります。

費用は全額自己負担

基本的に、パルスサーミアは自由診療、すなわち健康保険適用外なので、費用は全額自己負担になります。

調べたところ、1回の施術にかかる費用は10万円〜11万円が相場です。しかし、多くのクリニックでは照射が1回で終了するケースはほとんどなく、複数回の照射を必要とします。そのため、2回、3回と照射を重ねるごとにさらに出費もかさむことが想定されます。ただ、これを考慮して、初回の診察やカウンセリングを無料で行っているクリニックもありました。

これらを踏まえると、やはりパルスサーミアにかかる費用は高額で、コスト面での負担は大きいのが現状のようです。ただし、このような高額な医療費については医療費控除の対象となる可能性があります。ですので、治療を始める前に細かな費用やプラン、控除についてきちんと確認しておく必要があるでしょう。

定期的な通院は必要

上記でも軽く触れましたが、パルスサーミアは1度レーザーを照射したら終了というわけではなく、定期的に通院しなければいけません。

パルスサーミアは基本的に、レーザーを定期的に照射することで治療効果を維持・持続させていく治療法です。そのため、何度も病院に通わなければいけません。治療を受けた人の中には、1度の照射で効果を感じる人もいるようですが、多くの場合は2回以上の照射が必要になるため、そこに不便さを感じる人もいると思います。

先ほど、「施術にかかる時間はわずか15分程度なので、忙しい人にも臨みやすい」とお伝えしました。確かに、1回あたりの施術時間は非常に短いですが、何度も通わなければいけないことを覚えておく必要がありそうです。

効果は永久には持続しない

これが最大のデメリットでもありますが、パルスサーミアの治療効果は永久には持続しません。

上記でも説明しましたが、パルスサーミアは定期的に複数回レーザーを照射することで、その効果を維持・持続させていくことを前提に作られた治療法です。そのため、カウンセリング時に決めた施術スケジュールを守らなかったり、定期検診に行かなかったりすると、粘膜の膨らみが再び現れ、いびきや無呼吸が再発してしまう可能性があります。

また、すべての施術スケジュールを終え、一旦はいびきから解放されても、数年後には効果が薄れ、いびきをかくようになるケースも見られます。

従来のメスやレーザーによって粘膜を切り広げる治療法においては、広げたあとに切った粘膜を縫合していたのでそのままの状態がキープされ、施術も1回で済んでいました。対して、パルスサーミアで使用するレーザーは、痛みや出血などがない分粘膜をそのままの形で維持する効果は弱いです。そのため、複数回の照射と長期スパンでの経過観察が必要になります。




パルスサーミアはこんな人におすすめ

人差し指を立てている笑顔の女性ここまで、パルスサーミアのメリット・デメリットを解説してきました。下記の記事でも、レーザー治療について解説しているので、ぜひこちらも参考にしてください。

そしてこれらを踏まえて、パルスサーミア治療をおすすめする人をご紹介します。

CPAP治療を断念した人

まずは、CPAP治療を途中で断念してしまった人です。

CPAP治療は、いびき・無呼吸治療においては最もポピュラーで、多くの医療機関で実施されています。しかし、下記のようなデメリットによって治療を続けることができず、途中でやめてしまう人も実は多いのです。

  • <CPAP治療のデメリット>
  • ・マスクから常に空気が送り込まれ続けるため、呼吸がうまくできず、苦しくて寝ていられない
  • ・マスクを顔や鼻に装着するバンドによって肌がかぶれる
  • ・無意識にマスクを取ってしまう
  • ・CPAP装置のレンタル料が高額
  • ・CPAP装置が大きいため、旅行や出張などに持参するのが不便
  • ・マスクをつけているところを人に見られると恥ずかしい
  • ・定期的な洗浄やメンテナンスが面倒
  • ・睡眠時は毎回マスクをつけないといびきをかいてしまうため、手放せない

このようなデメリットによってCPAP治療を断念してしまった人に、パルスサーミアは効果的です。大掛かりな装置を用いる必要もなければ、手術による見た目への影響もありません。そして、常にマスクや装置などに左右されて、活動を制限されることもありません。すべての治療をクリニックで完結させ、日常生活をストレスなく過ごしたい人に、パルスサーミアはおすすめといえるでしょう。

安全に副作用なく治したい人

また、安全に副作用なく治したい人にもパルスサーミアはおすすめです。

CPAP治療は、効果を感じるまでには多くの時間を要します。加えて、装置に慣れてうまく使えるようになる期間も必要なので、トータルするといびきが抑えられるまでには数ヶ月近く時間がかかります。そのため、今すぐいびきを解消したいという人には不向きといえるでしょう。

ただし、パルスサーミアでも1度のレーザー照射で効果を感じる人もいれば、数回照射してようやく効果を実感する人もいます。ゆえに、その点は個人差があるので、カウンセリングや初診の際に、どれくらいの施術から効果を感じ始めるのか、きちんと確認することが大切です。




まとめ

今回は、いびき・睡眠時無呼吸症候群の最新治療法であるパルスサーミアについて解説しました。

パルスサーミアは、レーザーを使用しているにもかかわらず、出血や痛みが少なく、ダウンタイムも数日で済む画期的な治療法です。これまで、CPAP治療でうまくいびき改善することができなかった人には、新たな選択肢といえるでしょう。

ただし、その分費用は全額自己負担だったり、効果が長続きしないので定期的な経過観察が必要だったりなど、デメリットもあります。

どんな治療法にも、一長一短はあるものです。どんな治療法が最適なのかを判断するには、まずは医療機関を受診し、医師としっかり話し合うことが大切です。

この記事が、いびき・無呼吸で悩む人が次の一歩を踏み出すきっかけになればうれしいです。




よくある質問

Q.パルスサーミアとはどんな治療法ですか?

A.気道を塞ぐ口蓋垂(こうがいすい)や軟口蓋(なんこうがい)の粘膜の膨らみを、レーザー照射によって取り除くことで気道を広げ、いびき・無呼吸の解消を目指す治療法です。いびき・無呼吸の治療法は、「【睡眠時無呼吸症候群は治るの?】治療方法を一挙ご紹介」でも紹介しています。

Q.パルスサーミアのデメリットを教えてください。

A.パルスサーミアは、保険適用外なので、費用は全額自己負担です。また、効果が長期間続かないので、定期的に通院し、レーザー照射と経過観察をする必要があります。

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田沼 欣樹(たぬま よしき)

防衛医科大学校卒業/初期研修後、大手美容クリニックの勤務を経て医療法人社団紡潤会に入社。いびきや睡眠時無呼吸症候群(sas)は合併症を生じやすく、健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療が大切です。いびきやsasに悩む方へ、パルスサーミアで快眠と健康を手に入れて欲しいをモットーに取り組んでいます。

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