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睡眠時無呼吸症候群の治療・治し方

【症状例】無呼吸症候群の主な症状とは?

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睡眠Dr. 編集部

睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の主な症状


睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的な4つの症状について解説します。

  • ・ いびき・無呼吸
  • ・ 夜中に何回も目が覚める
  • ・ 熟眠感がない
  • ・ 日中の強い眠気

なぜこのような症状が出るのか、身体のメカニズムも含めてお伝えしていきます。

いびき・無呼吸

いびきは、上気道(鼻からのどまでの空気の通り道)が何かしらの原因により狭くなり、気道の粘膜の振動が強くなることで発生します。ビルの隙間から吹く風が強いのと同じ現象が、のど起こっていると考えましょう。

無呼吸は、上気道が完全に塞がれてしまった状態です。

いびきの原因となるものには、以下のような場合が考えられます。

原因 理由
首やのどの周りに脂肪がついている 肥満により脂肪が付着することで気道を圧迫している
のどちんこや舌の付け根の筋肉が緩んでいる 睡眠薬や飲酒、加齢
扁桃腺の肥大 もともと扁桃腺が大きい
アデノイド(鼻の奥からのどにかけてできるリンパ組織の塊) 子どもの睡眠時無呼吸症候群に多い
あごの骨格が小さい もともとの身体の構造上

夜中に何回も目が覚める

低呼吸や無呼吸を繰り返すうちに、深い睡眠が得られず夜中に目が覚めてしまいます。中には、無呼吸により苦しくなって起きる場合や、いびきの音に驚いて起きることもあるようです。

また、夜間のトイレが近くなる人もいます。
通常寝ているときは身体が休んでいる状態であるため、尿を作る機能も活発には働きません。膀胱内に溜まる尿の量が少ないことから、夜間トイレに起きることはほとんどないでしょう。
しかし、睡眠時無呼吸症候群の場合、交感神経優位の時間が長くなります。身体は日中と同様に活動している状態になるため、尿を作る機能も働いています。
以上のことから、夜間トイレに起きる回数が増えるのも睡眠時無呼吸症候群の特徴です。

熟眠感がない

睡眠中は通常、副交感神経が優位になっており身体はリラックスした状態です。しかし、睡眠時無呼吸症候群の場合は、低呼吸や無呼吸を繰り返すことで交感神経が優位に働き、脳内は日中活動しているときと同じ状態になります。

自分の感覚としては寝ているようでも、身体は寝ていない(休息できていない)状態と言えます。
そのため熟眠感(しっかり寝たはずなのに眠い)が得られず、朝起きてから倦怠感や頭痛を自覚する場合が多いです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と頭痛の関係についてはコチラのコラムで解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

日中の強い眠気

自覚症状の有無に関わらず、夜間の低呼吸や無呼吸によって身体の休息が取れていない状態です。そのため、日中に強い眠気を感じる人が多いでしょう。

以下のエスワープ眠気尺度(ESS)は日中の眠気について、自覚症状を評価する基準となるため、ご参照ください。

チェック項目 ほとんど寝ない たまに寝る 半々で寝る ほぼ寝る
座って雑誌や新聞を読んでいるとき 0 1 2 3
座ってテレビを見ているとき 0 1 2 3
会議中や映画館で座っているとき 0 1 2 3
1時間続けて乗員として車に乗っているとき 0 1 2 3
午後横になっているとき 0 1 2 3
午後横になっているとき 0 1 2 3
座って人と話しているとき 0 1 2 3
昼食後静かに座っているとき(飲酒無) 0 1 2 3
座って書き物をしているとき 0 1 2 3

11点以上になると睡眠時無呼吸症候群が強く疑われるため、検査を受けましょう。

そもそも睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?


睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に低呼吸や無呼吸を繰り返すことで身体に影響を及ぼす病気です。

低呼吸とは、呼吸をしているが非常に弱く十分な換気が行われていない状態です。一方、無呼吸とは、呼吸が停止している状態です。

睡眠時無呼吸症候群の定義は【低呼吸や無呼吸が1時間に5回以上繰り返される状態】とされています。
寝ている間の呼吸が不十分になると、体内の酸素が不足した状態が続きます。上述した症状や場合によっては、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な病気を発症する原因になりかねません。

睡眠時無呼吸症候群が疑われる自覚症状がある場合や、家族からいびき・無呼吸が指摘されている人は、検査をおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因は閉塞性か中枢性


睡眠時無呼吸症候群の原因には、のどの構造や筋肉の低下などにより気道が塞がれることで起こる閉塞性と、脳から呼吸するように命じる指令が出ないことで起こる中枢性があります。

それぞれについて詳しく解説します。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

空気の通り道となる気道が塞がれることで起こるもので、睡眠時無呼吸症候群の患者さんのほとんどが該当します。

原因は、寝ている間に舌が気道を塞いでしまうことです。加齢や睡眠薬、飲酒などの影響で筋肉が緩むことで舌が気道に落ちてきてしまいます。
また、肥満によりのどの周りに脂肪が付着することで気道が圧迫され、塞がれてしまうことも原因のひとつと考えられています。

中枢性睡眠時無呼吸症候群

脳から呼吸する指令が出ないことで無呼吸を起こす状態であり、睡眠時無呼吸症候群の中でも数%の割合で見られます。

中枢性睡眠時無呼吸症候群を起こす原因となる病気には、心不全や腎不全が考えられています。
心不全は、心臓が肥大しての全身に血液を送り出すポンプ機能が低下した状態です。心不全を患っている患者さんの30~40%に中枢性の無呼吸症候群を発症していると言われています。

腎臓は体内のろ過装置の役割をしており、血液中の老廃物を排出しています。
腎不全は、腎臓のろ過装置が正常に働かなくなっている状態です。血液中に溜まった老廃物が、呼吸をコントロールしている脳の部分に影響を与え、睡眠時無呼吸症候群を発症すると言われています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が引き起こす病気とは?


睡眠時無呼吸症候群により、呼吸できない状態が続くと体内では以下のような状態になります。

  • ・ 換気ができないことによる酸素不足
  • ・ 交感神経優位の時間が長くなる(血圧・脈拍の上昇)
  • ・ ホルモンバランスの乱れ

上記の状態が続くことにより新たな病気を発症する危険性があるため、自覚症状がある場合は検査をして診断してもらうのがおすすめです。
睡眠時無呼吸症候群が引き起こす病気には、以下のようなものが考えられます。

  • ・ 高血圧・不整脈
  • ・ 心筋梗塞
  • ・ 脳血管疾患
  • ・ 糖尿病

それぞれについて詳しく解説します。

高血圧・不整脈

交感神経が優位になるということは、寝ていても脳は常に活動している状態と言えます。
身体の活動が活発になっているときは、血圧が上昇しています。休息できていない状態であるため、負担がかかり身体はストレスを感じています。

そのため、高血圧や心臓への負担により脈拍が遅くなったり、早くなったり、飛んでしまったりするなど、不整脈を起こす原因にもなりかねません。

心筋梗塞

心臓に酸素や栄養を与えている血管(冠動脈)が、動脈硬化によって血液の通り道を塞ぐことで本来の機能が正常に働かなくなる病気です。
発症すると一刻を争う事態になるため、心筋梗塞を起こさないよう生活習慣の改善が重要になります。

動脈硬化は血管の壁が硬くなることであり、その原因は主に高血圧です。
睡眠時無呼吸症候群により起こした高血圧が、心臓に影響を及ぼし心筋梗塞に発展すると言えるでしょう。

治療をしていない重症の睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、健康な人に比べて心筋梗塞を発症する危険性が
2~3倍あると言われています。

脳血管疾患

脳血管疾患は、以下のような病気の総称であり、日本人の死亡理由第3位の病気です。

  • ・ 脳梗塞:脳の血管が塞がれることで起こる
  • ・ 一過性虚血発作:血流が滞ることで一時的に意識が消失する
  • ・ クモ膜下出血、脳内出血:血管が破れることで脳内で出血する

脳血管疾患を併発しやすい原因は、高血圧と同様動脈硬化です。

糖尿病

睡眠時無呼吸症候群と糖尿病の関連性について、まだはっきりとした原因は解明されていません。
国内で研究が重ねられており、肥満の有無に関わらず糖尿病を患っている患者さんのおよそ1/3が、睡眠時無呼吸症候群を合併していると分かっています。

夜間の睡眠不足により、ストレスホルモンが過剰に分泌されることでホルモンバランスが乱れます。血糖値の上昇を抑えるインスリンの量が減ることで、睡眠時無呼吸症候群を発症する原因と言えるでしょう。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)により実際に起きた事故について


睡眠時無呼吸症候群による日中の眠気や倦怠感などにより、交通事故を起こした事例がいくつか挙げられています。
以下をご参照ください。

事例①:新幹線の乗務員が運転中に居眠り

2003年に新幹線の運転手が乗務中に居眠りをしていたという事件が発生しました。
速度を超過したときに作動する自動ブレーキ装置が作動し、駅の決められた停車位置より100m手前で新幹線が停止しました。そのため、大きな事故にはならなかったのが不幸中の幸いでしょう。

運転手の健康状態に問題はないとされ業務にあたっていましたが、後の検査で睡眠時無呼吸症候群が指摘されています。

事例②:車両運搬トラックが前方車両に追突

2012年に首都高速道路で起きた交通事故です。事故現場にブレーキをかけた痕がなく、車両運搬トラックの運転手は、事故発生時意識を失っていたとされています。

事故後の検査で睡眠時無呼吸症候群と診断されました。

気になる人は検査を受けましょう


睡眠時無呼吸症候群は日中の活動にも影響を及ぼし、取り返しのつかないトラブルが発生しかねません。
思い当たる症状がある人は、検査を受けましょう。

睡眠時無呼吸症候群の検査は、自宅でできる簡易検査と、一泊入院して行う精密検査があります。

簡易検査は病院から機械を借りて、指や鼻に取り付けて寝ることで検査が受けられます。結果により、更に詳しく調べる必要があれば精密検査へ、簡易検査だけで明らかな睡眠時無呼吸症候群の症状が現れている場合は速やかに治療に入ります。

精密検査は指や鼻をはじめ、頭や胴体・足などにもセンサーや機械を取り付けて行います。

まとめ


睡眠時無呼吸症候群の症状は、寝ているときの低呼吸や無呼吸をはじめ、起きたときのだるさ、頭痛、日中の眠気などがあります。

自覚していないところで慢性的に睡眠不足になることから、血圧やホルモンバランスの乱れにもつながり、高血圧や心筋梗塞、糖尿病などの原因になりかねません。

睡眠時無呼吸症候群により引き起こされた事故も起きていることから、思い当たる症状がある人は検査を受けることをおすすめします。

よくある質問

Q.睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状は?

A.寝ている間の低呼吸(十分な換気がされない浅い呼吸)または無呼吸、いびき、夜中に目が覚める、起床時の頭痛やだるさ、日中の強い眠気などの症状が見られます。 夜間のいびきや無呼吸は、大きないびきをかいていたのが突然静かになり、数秒するとまた再開するというパターンを繰り返している場合が多いです。

Q.睡眠時無呼吸症候群に該当する日中の眠気とはどの程度のものですか?

A.テレビを見ていたらいつの間にか寝ていた、運転中に眠気がくる、夜しっかり寝ていているのに眠いなど、日中の活動中に眠気を感じる場面が多いようです。

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