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不眠症の原因・治し方

【あきらめないで!】うつと不眠症の関係性について

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睡眠Dr. 編集部

睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

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うつから不眠症になる原因

ベッドの上で頭を抱える女性

うつと不眠症には密接な関係があり、うつを患っている人の80%以上が同時に不眠症を発症していると言われます。うつ状態では健康な人に比べて睡眠の質が下がることが多く、深く眠れない日々が続くと疲労が蓄積されうつが悪化することもあります。
ここでは、うつから不眠症を発症する原因を紹介します。

生命維持活動への欲求の低下

健康な人の場合、生活の質を維持するため意識をしていなくてもパワーを消費しています。食欲や性欲などの基本的な人間の欲求は生命維持活動に大きくかかわっているため、脳は生活の中でも優先順位の高いものとしてエネルギーを使おうとします。
「うつ」と言えば気持ちが落ち込み元気が出なかったり悲しい気持ちになってしまったりする精神エネルギーに注目が集まりますが、同時に生命維持エネルギーの低下も重要な問題です。うつになると、食事や睡眠に割けるエネルギーが減り、疲れているのにぐっすり眠れない状態になってしまいます。

セロトニンの減少

うつになる原因には、セロトニンの低下が関係しているのではないかと考えられています。セロトニンとは、石棺の緊張を調節する物質です。体内のセロトニンのうち90%が消化管粘膜に存在し分泌量に応じて消化に影響を与えていますが、2%程度は脳に存在します。
脳にあるセロトニンは快楽や喜びを司るドーパミン、怒りや不安を司るノルアドレナリンの制御をする役割があります。そのためセロトニンが減少すると感情の波が激しくなり、攻撃的になったりうつ気味になったりします。セロトニンは気分の抑制だけでなく睡眠覚醒周期の抑制も担っているため、減少すると不眠症になってしまう可能性が指摘されています。

運動量の減少

うつになると外に出て活動する機会が減少するため、運動量が減少して身体的疲労が少なく不眠症の原因になることもあります。うつ状態では身体を動かすことも難しくなるため、1日過ぎても肉体的な疲労感がなく夜に布団に入ってからもなかなか寝付けないというケースです。適度に身体を疲れさせることで、自然な入眠ができる可能性があります。

不眠症とうつの違い

人差し指を立てている男性の写真

不眠症とうつは関連性が高く、不眠症が原因でうつ、もしくはうつが原因で不眠症のように相関関係を念頭において考えるのが自然です。分類としては、うつ病の症状の1つに不眠症が挙げるのが一般的です。ここでは、不眠症とうつのそれぞれの定義を紹介します。

不眠症の定義

不眠症は、入眠や継続的な睡眠を維持することができない睡眠障害を指します。眠れない、早く目覚めてしまうような状態が持続し、苦痛を伴ったり社会的に不安定な状態に陥ったりしてしまうと、精神障害と診断されます。

不眠症は「原発性不眠症」と「二次性不眠症」の2つに分類されます。「原発性不眠症」は、医学的、環境的要因を伴わずに発生し、「二次性不眠症」はうつなどの病気や薬物の使用などの要因によって引き起こされるものです。しかし、うつと不眠症を併発している場合にはいずれにしても双方へのアプローチが必要になるため、因果関係を明らかにする必要はないという考え方もあります。

不眠症ってそもそも何なの?という方はコチラの記事からご覧ください。

うつの定義

「うつ病」の定義は、「ほとんど1日中、ほとんど毎日抑うつ気分が続くこと」です。好きだったものでも興味を失ってしまったり、楽しいと思える時間がなくなってしまったりすることもうつの特徴で、常に疲れた状態で無価値観や罪意識を感じ、反復的な自殺念慮を感じることもあります。うつになると多くの場合に不眠や仮眠をともない、疲労をうまく回復できずに気分がさらに落ち込むという悪循環が生まれます。

このように、不眠症はうつの症状の1つとして挙げられ、不眠症とうつを併発している場合はどちらが原因になっているかの因果関係にかかわらず双方の治療に取り組む必要があります。

不眠症からうつになる原因

ストレスで頭を抱えるシニアの女性

不眠症とうつには深い関係性があり、うつの症状の1つとして不眠症を発症することが多い一方、不眠症が原因でうつになることもあります。ここでは、不眠症からうつを発症してしまう原因を紹介します。

不眠症の人がうつになるリスク

睡眠は生活で蓄積した疲れをリセットし、身体とこころの負担を軽減する役割を果たしています。そのため、十分な睡眠がとれない状態が続くと、身体だけでなくこころも疲弊してしまい、うつ病になるリスクが高まります。
実際、不眠症になった人はその後3年以内にうつ病になるリスクが4倍にまで高まり、不眠が1年以上継続している場合にはうつ病のリスクは40倍にまで高まるとも言われます。

不眠症によるうつ再発のリスク

一度うつ病を経験した人の中には、全体的なうつの症状は治ったにもかかわらず、いくつかの症状が残ってしまう場合があります。うつの際に不眠症を発症し、回復してからも不眠症の状態を維持してしまった場合、再びうつを再発するリスクが高まります。再発の頻度は不眠症がない(もしくは改善した)場合に比べると3~6倍にまで高まります。

うつによる不眠症の特徴

聴診器とチェックリスト

不眠症は一般的に「睡眠障害」全般を指して使われる言葉ですが、細かく分類すると「入眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」「熟眠障害」などに分けられます。

入眠障害

「入眠障害」は、夜布団に入ってからもなかなか寝付くことができない状態を指します。身体が疲れていて眠りたいと思ってもなかなか眠りに落ちることができず、そのせいで朝長く寝すぎてしまったり、昼寝が必要になったりする状態です。不眠症で入眠障害を訴える人は、朝や昼に眠ることには困難を感じないというケースもあります。

通常布団に入ってから眠りにつくまでの時間は10~15分と言われており、入眠までに1時間以上かかってしまう人は入眠障害に分類されます。ストレスを感じやすく神経質な人が抱えることの多い障害で、睡眠障害の4つの分類の中でも最も多い症状です。うつで不眠症になる人には、「入眠障害」を訴える人が多い傾向にあります。

中途覚醒

徒中に何度も目が覚めてしまう状態を「中途覚醒」と呼び、これも不眠症の1つに分類されます。中途覚醒が起きると深く眠ることができなくなり、昼間に眠気が残ってしまいます。
トイレなどを理由に夜中に何度も目が覚めてしまうケースも、中途覚醒に含まれます。また、一度目が覚めてしまうと再び眠るまでに時間がかかってしまうこともあり、安定して睡眠時間を確保できないのが特徴です。中途覚醒がある場合には目が覚めてしまったら無理にもう一度寝ようとせず起きてしまい、後からもう一度眠るようにすると良く眠れることがあります。

早朝覚醒

「早朝覚醒」は朝早くに目が覚めてしまいそのまま眠れなくなってしまう状態を指します。主に高齢者によくみられる不眠症の一種で、十分な睡眠時間が確保できていないまま目が覚めてしまうので疲労感が残り日常生活にも支障をきたします。
若い人にも早朝覚醒の症状がみられることもありますが、その場合は精神的なストレスやうつによる睡眠サイクルの不安定さが原因になっている可能性があります。

熟眠障害

「熟眠障害」は十分に眠ったはずなのに日中にも眠気を感じてしまう状態を指します。睡眠時間をしっかりと確保して眠れる環境を整えていても、朝起きたときにあまりぐっすり寝た気がしない(=熟眠できない)のも睡眠障害の一種です。熟眠障害においても他の症状と同じように、睡眠不足や睡眠の質の低さが原因で日中の生活に支障をきたすことがあります。

不眠症とうつ病の診断について

対面診療のイメージ写真

不眠症に悩まされている人が病院に行って診察を受ける場合、何科を受信すればいいかは症状によって異なります。不安を感じて夜眠ることができなかったり、夜中や早朝に目が覚めてしまったりする場合には心療内科や精神科の受診が必要です。うつをすでに診断されていたり、うつ病に該当する症状が不眠症以外にも見られたりする場合には、まずはかかりつけの医師に相談してみましょう。

その他、昼間に意識が飛びそうになる感覚がある場合は呼吸器系の問題(いびきや睡眠時無呼吸症候群)の可能性があるので、呼吸器内科の受診が必要な場合もあります。特に、いびきがひどい場合には呼吸器内科、内科、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
睡眠に困難を抱えているけど、自分が不眠症にあたるのかわらかないという人は、「アテネ不眠尺度」と呼ばれるセルフチェックをあらかじめ行うこともできます。

コチラの記事でアテネ不眠尺度について紹介していますので是非チェックしてみてください。

うつによる不眠症を改善する方法

窓を開けて太陽光を浴びる女性

うつと不眠症を併発している場合、根本解決を目指すためにはうつの治療が大切です。不眠症とうつは密接な関係があり不眠症だけを改善しても、うつ状態が続いていると精神的な不安から不眠症が再発してしまうリスクが高いからです。
しかし、不眠の状態が続いているうちはうつ病の治療も難しいため、まずは睡眠習慣を安定させるために下記の方法を試してみましょう。

就寝・起床時間を定める

就寝時間と起床時間が定まっていない場合、不眠症を含む睡眠障害を発症する可能性が高まります。夜更かしをしてしまったり、休日にだけ寝坊してしまったりする習慣が続くと、睡眠のルーティーンが崩壊し不眠症の原因となります。
毎日安定した時間に寝て起きることが出きれば、睡眠にまつわる体内時計を整えることができ不眠の解消につながります。

太陽の光を浴びる

睡眠を安定させるためには、体内時計を正常に機能させる必要があります。身体に太陽光を当てることで、昼夜の正常な感覚を身体に伝達し、夜になると自然と眠くなる状態が完成します。一般的に人の身体は、太陽に光を浴びてから14時間目以降に眠くなるようにできていると言われるため、早めの時間に起きて太陽にあたる時間を設けることも大切です。

可能な範囲で身体を動かす

うつと不眠症を併発している場合、身体を動かす機会が減り肉体的な疲労が不足するために入眠に問題を抱えるケースも考えられます。どの程度身体を動かすことができるかは鬱の状態にもよりますが、少しでも運動をすることで身体を疲れされることができ、心地よい疲労感で自然と入眠できる可能性があります。

寝酒を控える

寝つきが悪いことを理由に、寝る前にお酒を飲む習慣がある人も多いのではないでしょうか。しかしお酒は快眠の敵であり、就寝前に飲酒すると深く眠ることができず、結果的に不眠症を悪化させる可能性があります。お酒は一時的に入眠を助けるかもしれませんが、実際には効果に持続性はなく、早朝覚醒や中途覚醒の原因にもなります。

快適な睡眠環境を作る

快適な睡眠環境を作って眠ることも大切です。明るすぎる環境や騒音環境では落ち着いて眠ることができず、睡眠の質を下げてしまいます。部屋が寒すぎたり暑すぎたりする場合にも睡眠障害を引き起こすことがあるので、身体にストレスがかからないような環境を作りましょう。

まとめ

笑顔で散歩をする親子の写真

うつと不眠症を併発している場合、どちらが原因であるかを特定することは難しく、この2つの問題は相互に影響しあって存在します。うつの改善と不眠症の改善の両方に取り組む必要があり、いずれかの症状が改善した場合はもう片方の症状も改善される可能性があります。
不眠症を改善するためには、薬以外にも太陽光を浴びる、快適な睡眠環境を作るなどの手軽に試せる方法があります。睡眠の質が低いと精神的に落ち込んでしまうこともあるので、不眠症の改善に向けてできることから取り組んでいきましょう。
以上、うつと不眠症の関係についてでした。

よくある質問

Q.不眠症が原因でうつになることはありますか?

A.不眠症を経験した人はうつになる可能性がそうでない人に比べて4倍程度高い傾向にあります。不眠症の状態が長期(1年以上)である場合、うつ病にかかるリスクは40倍にまでふくらみます。

Q.うつと併発した不眠症を解決するためにはどんな方法がありますか?

A.睡眠のサイクルを正常に戻すため、太陽に光を浴びたり快適な睡眠環境をつくったりすることが大切です。体内時計を安定させることができれば、夜に自然と眠くなる確率があがります。

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