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いびきの原因・対策・防止

【いびきがうるさい!】いびきの原因とすぐにできる治し方・対処法

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睡眠Dr. 編集部

睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

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いびきの原因を知る前に理解すべきメカニズム

いびきをかくパートナーの鼻をつまむ女性
いびきとは、空気が気道を通り、周辺の粘膜が振動することで鳴る雑音を指します。

通常は空気が気道を通っても粘膜は振動せず、いびきも出ません。しかし、気道が狭まっている時は通った空気によって粘膜の振動が起こり、いびきの発生につながります。

いびきの種類

そして、いびきは発生の頻度によって以下の2種類に分けられます。

種類 詳細
散発性いびき 疲労が溜まっているときやお酒を飲んだときなど、何らかの原因で一晩だけ現れるいびき。
一時的な筋肉の弛緩や扁桃腺の腫れに伴って起こるものなので、発生しても問題はない。
習慣性いびき 就寝中、毎晩のようにかくいびき。習慣性いびきは、呼吸量や覚醒状態に応じて、
「単純性いびき」と「睡眠時無呼吸症候群に伴ういびき」の2種類に分けられ、
睡眠時無呼吸症候群に伴ういびきは体への負担が大きく危険。

いびきの原因

いびきの原因には、次のようなものがあります。

  • 肥満
  • 疲労やストレス/li>
  • 飲酒や喫煙
  • アレルギーなどによる鼻づまり
  • 扁桃腺の肥大やアデノイドの腫れによる気道の狭まり
  • 加齢の影響
  • 顎が小さい
  • 女性ホルモンの影響

原因1. 肥満

肥満になると、上半身だけでなく首周りや舌、気道にも脂肪がつきます。すると、通常よりも気道が狭い状態になるので、眠ったときに重力によって落ち込んだ舌が気道を塞いで、いびきをかいてしまうのです。

しかも、もともと日本人は首が短くて太く、そしてあごが小さい人が多いです。これにより、少々の肥満でも首周りに脂肪がつきやすくなるため、太っていなくてもいびきをかくようになります。

そのため、肥満体型になりやすい中年、特に上半身に脂肪がつきやすい(内臓脂肪型肥満になりやすい)男性は注意が必要です。

原因2. 疲労やストレス

疲労やストレスは、筋肉の緩みを誘発して舌が沈下することで気道が狭まる原因となります。気道が狭まると、喉いびきの要因となるのです。

実は、睡眠とストレスとの間には密接な関係があることをご存知ですか?「睡眠とストレスの関係性とは?眠りが浅いのはストレスが原因!?」の記事では、ストレスが与える睡眠への影響についてを詳しく解説しています。

原因3. 飲酒や喫煙

いびきは寝酒や喫煙によっても誘発されます。寝る前の飲酒や喫煙が習慣化している人は、いびきが悪化する前に生活習慣を改めるようにしましょう。

原因4. アレルギーなどによる鼻づまり

アレルギーなどによる鼻づまりによって、いびきが引き起こされる場合があります。鼻が原因となって起こるいびきを鼻いびきと呼び、何らかの原因によって鼻の気道が狭まることで、いびきが生じてしまうのです。

鼻いびきについての詳細は、「鼻いびきにお悩みの方必見!原因別の治療法をご紹介!【近年注目の治療法】」をご覧ください。

原因5. 扁桃腺の肥大やアデノイドの腫れによる気道の狭まり

扁桃腺の肥大やアデノイド(咽頭扁桃)の腫れなどによって気道が狭まると、いびきを生じる原因となります。扁桃腺が肥大する原因として、大きく分けて次の2種類があります。

  • 細菌・ウイルス感染などによる病的肥大
  • 免疫異常などによる生理的肥大

細菌・ウイルス感染などによる病的肥大

細菌・ウイルス感染などによって扁桃腺が肥大化することを病的肥大と呼びます。感染の影響のほか、慢性的な扁桃炎を繰り返すことでも肥大化する場合があり、自然治癒はほとんど見込めないため、病院での処置が必要です。

免疫異常などによる生理的肥大

免疫異常による扁桃腺の肥大化を生理的肥大と呼びます。免疫系がまだ未熟な幼少期に生じやすく、時間の経過とともに自然と扁桃腺の大きさも元に戻ってゆきます。

原因6. 加齢の影響

加齢の影響により、筋肉が弛むことから気道が狭まり、いびきが生じてしまうケースがあります。また、加齢によって夜中に何度も目覚めてしまう中途覚醒など、不眠症状に悩まされる場合も。

中途覚醒については、いびきメディカルクリニック「中途覚醒とは?夜中に目覚める・熟睡できない原因と対策についてご紹介!」の記事をご覧ください。

原因7. 顎が小さい

日本人はもともと顎が小さく、気道が狭まりがちであることから、いびきが出現してしまう場合があります。

原因8. 女性ホルモンの影響

加齢によって女性ホルモンが減少することから、気道を広げる働きが弱まり、いびきに繋がる場合があります。女性ホルモンの1種であるプロゲステロンには、上気道開大筋と呼ばれる筋肉を拡げて、気道を確保する働きがあります。気道を拡げる働きがホルモンの現象によって弱まり、いびきに繋がるのです。

女性のいびきは男性と比較すると少ない傾向にあり、女性がいびきを生じてしまう場合には特有の原因が潜んでいる場合があります。そのほか、女性のいびきについて学びたい方は、【いびきに悩んでいる女性必見】いびきの原因や治療方法について解説の記事をご覧ください。



いびきを放置するリスク

パートナーのイビキに悩む女性
しかし、なぜいびきを警戒する必要があるのでしょうか?それは、いびきは放置すると危険な病気につながる可能性があるからです。

睡眠時無呼吸症候群(sas)につながる可能性が…

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に何度も呼吸が止まる(無呼吸状態に陥る)ことによって中途覚醒が繰り返され、睡眠が阻害されてしまう疾患です。特徴として、睡眠時はほぼ毎回大きないびきをかきます。

この疾患が危険な理由は、命を落としかねない危険な合併症を次々と引き起こすからです。

例えば、睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に何度も呼吸が止まってしまうため、その度に脳は足りない酸素を補おうと全身の血流を活発にして酸素不足を補います。この状態が慢性化すると発症するのが高血圧です。

他にも、睡眠時無呼吸症候群は糖尿病や肥満の悪化などの生活習慣病を引き起こしたり、最悪の場合は脳卒中や心筋梗塞などを招いたりする可能性が高まります。

このように、睡眠時無呼吸症候群は「たかが、いびき」と絶対に甘く見てはいけない危険な病気なのです。睡眠時無呼吸症候群の危険性など、詳細についてはいびきメディカルクリニック「睡眠時無呼吸症候群の症状とはどのようなものがある?早期発見につながるポイントとは」の記事をご覧ください。

ベッドパートナーも不眠症に

睡眠時無呼吸症候群は、発症している本人だけでなく、同じ寝室で寝るベッドパートナーにも影響があります。それは、大きないびきの音による慢性的な睡眠不足です。
満足な睡眠が長期間とれないと、日中の眠気や倦怠感、集中力の低下、ストレスなどを感じるようになります。

そして、慢性化すると次のような不調が見られるようになり、命を落とすケースもあり得ます。

  • ・肥満
    食欲をコントロールするホルモンが影響を受け、食べすぎて太ってしまう
  • ・免疫力低下
    傷ついた細胞の修復や免疫細胞の活性化が正しく行われず、病気や感染症にかかりやすくなる
  • ・交通事故や作業中の事故
    日中の眠気によって事故を起こしてしまう
  • ・うつ病
    慢性的な睡眠不足とストレスによって気持ちが落ち込みやすくなり、うつ病を発症する

このように、いびきは本人だけでなく、それを我慢する周囲にも悪影響を及ぼしてしまいます。




【パートナー(旦那・彼女)がうるさくて寝れない】いびきの治し方・対処法

深刻な面持ちの夫婦
ここまでの内容を読んで、パートナーにいびきの症状がある人はとても不安に感じたでしょう。

一刻も早く「いびきを治さなきゃ!」と思うかもしれませんが、いびきはとてもデリケートな問題です。一方的に「いびきがうるさい!なんとかして!」といっても、相手は治療に臨んでくれないどころか、2人の関係にヒビが入ってしまうかもしれません。

そこで、パートナーを傷つけずにいびきの自覚と改善を促すアプローチが必要になります。ここからは、パートナーにいびきをかいていると伝える際にぜひ気をつけてほしいポイントを3つご紹介します。

いびきをかいていることを責めない

まずは、いびきをかいている相手を決して責めないことです。

多くの場合、いびきをかいていてもその自覚は本人にはありません。たとえ自覚があったとしても、自分ではどうしたら良いかわからず、途方に暮れている場合も多いのです。

むしろ、本人の自覚なしにどんどん病状が進行していくことが、いびき・無呼吸の恐ろしいところでもあります。

ですので、決していびきをかいていることを責めず、相手を思いやることが大切です。

いびきのリスクを正しく伝える

次に、いびきのリスクを伝えて、改善を促していきましょう。

いびきのリスクについては、まだまだ世間の認知度が低く、あまり重要視されない傾向にあります。そのため、いびきがもたらす健康被害を的確に伝えることが大切です。

そして、正しく治療すれば、改善する可能性は十分あることも伝えましょう。

もしかすると、いびき程度で病院に行くことに、最初はパートナーさんも抵抗を示すかもしれません。

しかし、医療機関で本格的ないびきや睡眠時無呼吸症候群の治療を行うことで、症状改善が見られるだけでなく、突然死のリスクを減らす効果が期待できます。

孤独にさせず一緒に解決していく姿勢を見せる

最後に最も重要なのが、いびきを2人の問題として、一緒に解決に取り組む意志があると伝えることです。

医療機関でのいびきや睡眠時無呼吸症候群の治療は、ときに多くの時間と費用を必要とするため、本人とってはストレスがかなり大きいものになります。

中には、治療を続けることができず、途中で断念してしまう人も多くいます。

そのため、いびき改善を夫婦二人三脚で取り組んでいく考えを伝えましょう。2人で力を合わせて解決していく姿勢を見せることで、相手も前向きにいびきを捉え、治療に臨んでくれるようになります。




【自分ですぐできる】いびきの治し方・対処法

ランニングする男女
いびきを止めるためには、自分で日常生活の改善をしていくことが重要です。ただし、生活習慣の改善によるいびきへの対処法には即効性は見込みずらいと言えます。根気強く続けていくことが大切です。

一方、「すぐにでもいびきを治したい!」とお考えの方は、「即効ないびきの治し方5選!原因を知って対策をしよう」の記事をご覧ください。

生活習慣の改善

前述したように、いびき・無呼吸で最も多い原因は肥満です。医療機関でも、治療の一環として肥満解消が行われるくらい、肥満がもたらすいびきへの影響は大きくなります。

そのため、日頃の生活習慣を見直し、肥満を改善するよう心がけることが大切です。

ですが、食生活改善やダイエット、適度な運動は、1人ではなかなか続かず、途中であきらめてしまいがちです。

そんなときは、パートナーも一緒に取り組むのがおすすめです。最近では、誰かと一緒にダイエットに取り組んだ方が1人でダイエットをするよりも効果があるとされています。

横向きで寝る

いびきを予防するには、横向き寝も有効です。

いびきは、仰向けで寝ると舌の落ち込みが促進されて発生しやすくなるため、いびき防止には横向き、もしくはうつ伏せで寝ることが医療機関でも推奨されています。

ただ、寝ている間は無意識に寝返りをうっているので、最初は横向きで寝ていても気がついたら仰向けになってしまいます。

そんなときは、横向き寝のしやすい枕に変えたり、うつ伏せでも苦しくないように寝具を見直したりするのが効果的です。また、同じ寝具を長年使い続けていると、肩や腰に負担がかかり、睡眠の質の低下につながります。いびき改善のためにも、寝具の見直しをしましょう。

飲酒を控える

日常的に飲酒、特に寝酒をよくする人は、いびき改善のために控えるようにしましょう。
寝る前に飲酒をすると、全身の筋肉の脱力が普段よりも促進され、より気道が狭まっていびきをかきやすくなります。

加えて、睡眠直前の飲酒は、アルコールの催眠効果で確かに寝つきは良くなりますが、利尿作用によって夜中に目を覚ましたり、早朝に起きてしまったりなど、熟睡を妨げるデメリットがあります。

質の良い睡眠にアルコールは絶対NGですので、寝酒は控え、晩酌は寝る2〜3時間前に済ませるようにしましょう。

禁煙する

喫煙も、アルコールと同様に気道の閉塞を促進し、いびきをかきやすくさせます。
とあるデータでは、喫煙の習慣がある人は、タバコを吸わない人よりもいびきの発症率が高くなるばかりか、悪化させる要因になると報告されています。

さらにタバコは、いびきだけでなくさまざまな病気のリスクを高めることにつながります。寝酒と同様に、喫煙についてもリスクを正しく理解し、やめるのがベストです。

いびき防止グッズを使う

いびきの予防には、いびき防止グッズを使うのもおすすめです。

例えば、口にテープを貼って口呼吸を抑え、鼻呼吸を促す「鼻呼吸テープ」や、鼻腔を広げて鼻の通りを良くする「鼻腔拡張テープ」は、軽症のいびきに対して一定の効果が見込めます。

また、これらはドラッグストアで簡単に購入することができます。

いびき防止に役立つ鼻呼吸テープについてのおすすめは、「いびき防止の為の鼻呼吸テープおすすめ8選」の記事でご紹介しています。




いびきは病院で治療しよう!

医師に症状を伝えている男性患者
最後に、いびきを病院で治療する大切さについて解説します。

上記で紹介した方法は、いびきの中でも軽症のいびきに対しては一定の効果が期待できますが、中等症以上のいびきにはあまり効果を発揮しません。症状が重いいびきには、医療機関で行う専門的な治療が不可欠です。

「いびき程度で病院に行くなんて…」と思う方もいるかもしれませんが、いびきは放置すると命に関わるので、迷わず医療機関に相談するようにしてください。

いびき治療は健康保険される場合がある

危険性は理解していても、なかなかいびき治療への一歩を踏み出せない方もいるでしょう。そんな方が気になるのは、おそらく費用の問題だと思います。

たとえば、いびきが主な症状である睡眠時無呼吸症候群(sas)の場合の治療費用については、保険適用であるかが大きなポイント。ただし、保険適用には治療法の制約があり、ダウンタイムや痛みなどのリスクが大きいのがデメリットです。

睡眠時無呼吸症候群治療の費用については、「睡眠時無呼吸症候群の検査や治療にかかる費用はいくら?原因や治療法も解説」の記事で、詳しく解説しています。ぜひ、参考にじっくりと比較してみてください。

病気以外が原因の場合は健康保険が適用されないため、自分が対象になるか、ぜひ一度医療機関へ相談してみてください。

「おすすめのいびき治療10選!医療機関の選び方についても解説します!」の記事では、自分に合った医療機関の選び方やおすすめなクリニックをご紹介しています。




まとめ

床に寝そべる男女のカップル
今回はいびきの仕組みや原因、対処法について解説しました。

ただの雑音だと思っていたいびきが、「実は病気のサインだった」というケースは多いものです。

まずは、自身のいびきがどんな原因で起こっているのかを究明し、病気の疑いがあればすぐに病院などの医療機関へ相談してください。

そして、パートナーにいびきの症状がみられる場合は、ぜひ話し合いの機会を持ち、治療を促すようにしてください。

「CPAPなどの対症療法ではなく、根本療法でいびきを治したい……」
「痛みや腫れなど、ダウンタイムに時間を取られたくない!」

そのような方におすすめなのがいびきメディカルクリニックパルスサーミアです。

切除のように大きな傷を作らないため、ダウンタイムや痛み、出血はほとんどありません。また、治療時間が15分と短時間で終了するため、お仕事のついでなど、あなたのライフスタイルに合わせた治療ができます。

詳しくは、いびきメディカルクリニックお問い合わせください。

24時間LINEで受付中!

よくある質問

Q.なぜいびきをかくのですか?

A.いびきは気道が狭くなっている時に、そこを空気が通ることで粘膜が振動し、起こります。いびきについては「【原因】いびきをかくようになったと感じる時に読むコラム」 でも解説しています。

Q.パートナーのいびきを止めるためにできることはありますか?

A.いびき・無呼吸の治療には、時間も費用もかかるため、人によっては孤独感を感じて治療を断念してしまうことがあります。そのため、パートナーだけでなく一緒に2人で改善に取り組む姿勢を見せることで、パートナーの背中を押して前向きに治療に臨めるようになります。

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睡眠Dr. 編集部

睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

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