眠りのお悩み

【実は迷信?】北枕に科学的根拠はあるのか徹底調査

【実は迷信?】北枕に科学的根拠はあるのか徹底調査
2022.12.17
日本では昔から「北枕で寝るのは縁起が悪い」とよくいわれます。しかし、枕を北にして寝ることが、なぜ
縁起の悪さにつながるのでしょうか?

この記事では、「北枕は縁起が悪い」といわれるようになった由来を紐解きながら、北枕の科学的根拠について解説していきます。

北枕は縁起が悪いといわれているのはなぜ?


はじめに、「北枕は縁起が悪い」といわれるようになった由来を紐解いていきましょう。

北枕は亡くなった方が頭を向ける方角

「北枕は縁起が悪い」といわれるのは、死を連想させるからです。

日本では古くから、亡くなった人の頭を北向きにして寝かせる風習があります。これは、亡くなった人の成仏を祈って行われるもので、今でも通夜や葬儀の場ではご遺体の頭を北に向ける習慣が残っています。

よって、「北枕=死」とイメージする人が多いため、「北枕は縁起が悪い」と避けられるようになりました。

北枕の由来はお釈迦様

しかし、なぜ北に頭を向けることが、死者の成仏を祈ることになるのでしょうか?それには、お釈迦様の存在が大きく関わっています。

仏教の祖であるお釈迦様は、入滅の際に頭を北向きに、顔を西に、そして右脇を下に向けた状態(頭北面西右脇臥:ずほくめんさいうきょうが)で亡くなったといわれています。みなさんも教科書などで一度は目にしたことのある「涅槃図(ねはんず)」の姿勢です。顔を向けた西には極楽浄土があるとされており、お釈迦様の周りには嘆き悲しむ弟子たちの姿が描かれています。

このように、お釈迦様の真似をすることで「自分もお釈迦様の元へ行けるように」と願ったことから、死者の頭を北向きにする北枕の習慣ができたと考えられています。

実は迷信?北枕の科学的根拠


古くから伝わる北枕の習慣ですが、本当に縁起が悪いのでしょうか?ここからは、北枕の科学的根拠について解説していきます。

北枕には科学的根拠はない

結論からいえば、北枕に科学的根拠はありません。

北枕で寝ることによって、個人の健康が脅かされるといった研究や報告はないです。あくまで宗教的な考え方のひとつであって、こだわりすぎる必要はないといえます。

北枕は日本独自の考え方

そもそも、「北枕=死」と連想するのは、日本独自の考え方です。

日本以外の仏教徒の多い国を見てみると、中国には「北枕は縁起が悪い」という文化はありません。また、仏教発祥の地であるインドにも、北枕は良くないという考えはないです。むしろ、「北枕で寝ると悟りが開かれる」という言い伝えがあるため、修行僧は好んで北枕で寝ます。さらに、タイでは日本とは逆に死者を南向きに寝かせる習慣があり、「南枕」を縁起が悪いと考える人が多いようです。

このように、北枕を縁起が悪いと考えるのは日本ならではの風習で、同じ仏教を信仰する国でも解釈は異なります。

風水では北枕で寝ると金運アップ

さらに、ものの形や様子、方角によって吉凶を占う風水では、北枕はむしろ良いとされています。

例えば、北枕は金運アップに効果的です。これは、北には強力な磁力のパワーがあるため、北の方角にはお金を集める力があると考えられていることに由来します。また、北は「信頼」や「落ち着き」、「財産」、「子宝」などを意味しているため、安眠や恋愛運アップにも効果があるとされています。

上記のように、風水における北枕の考え方は真逆で、死や縁起の悪さを連想させることはありません。

むしろ効果あり?北枕で寝るメリット


縁起が悪いと避けられがちな北枕ですが、メリットがあるという説もあります。

疲労回復効果がある

まず、北枕は睡眠中の疲労回復に有効だとされています。

先ほども少々触れましたが、地球には磁力があり、北から南に向かって流れています。このことから、頭を北にすることで磁力の流れに沿って血行も良くなり、疲れが取れやすくなるとされています。

頭寒足熱で快眠

東洋医学では、北枕は「頭寒足熱」の効果があり、快眠につながるとされています。

地球は、北に行くほど気温が下がり、南に行くほど上がります。そのため、少しでも温かい南に足を向け、反対に頭を北にして冷やすと、血の巡りが良くなって快眠につながると東洋医学では考えられています。

おそらく、「普段、部屋で寝ているときは、頭と足でそんなに気温の差は感じられないけれど…」と思うでしょう。もちろん、現代の断熱がしっかり施された住居で寝ている分には、頭と足で気温の差はほとんどありません。ですが、昔の住居は今ほど機密性が高くなく、隙間風が多い環境で暮らしていました。そのため、北に頭を向けて寝ると頭から冷えてしまい、体調を崩してしまうことも多かったと考えられます。

ゆえに、北枕には「頭寒足熱」効果が期待でき、上記で説明した地球の磁力の流れも相まって快眠の効果が期待できるかもしれません。

北枕以外で寝るとどうなるの?


これらを踏まえて考えると、北枕で寝ることは決して悪いことではなく、むしろメリットも多い可能性があることがわかります。では、北枕以外の方角で寝ると、どのような効果があるのでしょうか?風水の観点から、東、西、南枕で寝たときの運気への影響をご紹介します。

東枕

東枕には、仕事運や勉強運アップ効果が期待できます。

東は太陽がのぼる方角なので、「仕事」、「勉強」、「成長」、「発展」といった前向きな意味があります。ですので、やる気を出したいときや成長したいとき、発展したいときなど、エネルギッシュに物事を進めたい人におすすめです。

西枕

西枕は、金運アップや商売繁盛に有効だとされています。

西の方角は、お釈迦様が亡くなるときに顔を向けていた方角で、その先には極楽浄土があると考えられています。このことから、西は「恋愛」、「金運」、「商売繁盛」を表すとされ、豊かさや楽しみを与えてくれる方位とされています。

ただし、西は太陽が沈む方角のため、東枕とは逆でエネルギッシュに仕事をしたい人には向きません。代わりに落ち着きや安定感を意味するので、ゆっくりと落ち着きたい人や安定を求める人には良いでしょう。

南枕

南は、才能運や人気運をアップさせたいときにおすすめの方角です。

南の方角には、「知性」、「美貌」、「人気」、「才能」、「名誉」などの意味があるため、何か大きなことを成し遂げたいと考えているなら、南枕で寝るといいかもしれません。

ただし、南の方角は「火」を連想させるといわれています。そのため、寝付きが悪くなったり、イライラしたりするということもあるので、ぐっすり眠って体を休めたい場合は避けた方が良いとされています。

寝るときの方角よりも寝室の環境


さて、ここまで「北枕は縁起が悪い」といわれるようになった理由と科学的根拠、北枕以外で寝たときの運勢について解説してきました。

北枕には科学的根拠はなく、あくまで宗教的な考え方のひとつであるため、迷信といってもいいかもしれません。そのため、たとえ寝るときの方角が北向きだったとしても、そこまで囚われすぎる必要はないと思われます。

また、北枕以外(東枕・西枕・南枕)の風水的な運勢についても、どの方角で寝てもメリットがあればデメリットもあるとされています。よって、寝るときの方角はどれでも良いといわざるを得ません。風水や運気にとらわれることなく、自分の住環境に合わせて枕の向きは設定するのが良いでしょう。

それに、寝るときの方角に囚われすぎて、本来の睡眠の質が損なわれては、それこそ本末転倒です。良質な睡眠をとるためには、方角よりもまず寝室の環境を見直すことが先決ではないでしょうか?ここからは、睡眠環境を見直すときのポイントについて、詳しく解説していきます。

寝具

まず、自分の体に合った寝具で寝ることは最も重要です。

敷布団は、横になっても自然に立っているときのような状態がキープできるものを選びましょう。人間は、真っ直ぐ立っているときでも、背骨はなだらかなS字カーブを描いています。この状態を、寝転がったときでも保てる敷布団やマットレスがベストです。

掛け布団は、体型や体重に合わせて選ぶのが大切です。どんなものを選べば良いかわからないときは、羽毛布団がおすすめです。羽毛布団は通気性が抜群なので、季節を問わず使うことができ、快眠には最適といえるでしょう。

そして、枕は頭・首・肩をしっかり支えてくれるものを選びましょう。合わない枕を使い続けることは、肩こりや頭痛、腰痛に結びつく原因にもなります。枕選びのポイントは、敷布団と同じように自然に立ったときのS字カーブをキープできるものがベストです。どのような枕が自分に合っているのかわからない場合は、一度専門店に行ってプロに相談するのをおすすめします。

温度と湿度

快適な睡眠を得るには、寝室の温度と湿度のコントロールも欠かせません。

昨今の電気代の高騰によって、「夏でもエアコンは最小限だけ」、「真冬でも分厚い布団で寒さをしのぐ」、という人は多いです。しかし、室温を整えておかないと、せっかく自分に合った寝具を揃えても、そのメリットは引き出されません。

どの温度を適温と感じるかは個人差が激しいので一概にはいえませんが、例えば夏の快適な睡眠にはだいたい28℃前後に設定するのがベターだといわれています。また、最近はエネルギー消費を抑えたエコなエアコンや暖房器具、快眠をサポートする機能のついたものなどがたくさん販売されています。睡眠の質を改善したいなら、ぜひこのような機器を活用して、寝室の室温・湿度をコントロールすることにも意識を向けましょう。

音も、快眠には重要なポイントです。

誰しも、騒音が鳴り響く部屋では熟睡はできません。もし、夜中の工事や車、電車、飛行機などの騒音に悩んでいるなら、耳栓などを活用し、眠りを妨げられないよう工夫しましょう。

また、中には無音すぎると逆に眠れないという人もいます。そんなときは、「1/fゆらぎ」といわれる脳をリラックスさせる効果のある音を聞くと、より良質な睡眠が期待できます。

主な「1/fゆらぎ」の音は以下の通りです。
・クラシック音楽
・虫の声
・小鳥のさえずり
・波の音
・小川のせせらぎ

明るさ

あわせて、就寝時の部屋の明るさも重要です。

人間は、深く眠っているときは感覚を完全に遮断しているため、光の影響を受けていません。しかし、浅い眠りのときは光の刺激を感じ取っているので、寝室はできるだけ暗くした方が、快眠には良いとされています。

しかし、真っ暗だと不安で眠れないという人もいると思います。そんな人は、常夜灯をうまく活用しましょう。特に、暖色系の光は睡眠に与える影響が小さいことがわかっています。ですので、夜は間接照明などの控えめな暖かい色味の明かりを灯し、就寝時には常夜灯のみを照らすようにしましょう。スムーズな入眠を促して、睡眠の質を上げることができます。

まとめ


今回は、北枕について解説しました。北枕は、あくまで宗教的な考え方のひとつで、科学的に証明する根拠はありません。また、北枕を意識しているのは日本だけで、仏教を信仰する他国からしてみると、北枕をそこまで敬遠する日本の方が少々特殊です。そして、風水では北向きは縁起の良い方角で、北枕で寝ることはむしろ良いこととされています。

以上の理由から、「北枕は縁起が悪い」は迷信であり、寝るときの方角が北だからといって、過剰に気にする必要はないといえるでしょう。

寝るときの方角を気にするよりも、睡眠の質を上げたいならば、寝室の環境を改善する方が確実です。寝具や室温、音、明るさなど、ちょっとしたことでも積み重なると睡眠は簡単に阻害され、質が下がってしまいます。

ぜひ、この機会にご自分の睡眠環境を見直して、快適な睡眠を手に入れましょう。

よくある質問

Q.北枕はどうして縁起が悪いの?

A.日本には、古くから亡くなった方の頭を北向きにして寝かせる風習があります。この習慣は、死者の成仏を祈って行われるもので、お釈迦様が亡くなったときの姿勢を真似していると考えられています。そこから、「北枕=死」というイメージが定着し、縁起が悪いと避けられるようになりました。

Q.北枕に科学的根拠はあるのですか?

A.北枕に科学的根拠はありません。北枕で寝ることによって、個人の健康が脅かされるといった研究・報告はなく、あくまで宗教的な考え方のひとつとして捉えるのが良いでしょう。

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