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いびきの原因・対策・防止

【上級心理カウンセラー監修】旦那のいびきを止める為にパートナーが出来る事

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玉木 いずみ

医療系大学を卒業後、臨床検査技師の資格を取得。総合病院に就職し、臨床検査部にて主に検体検査を担当。その傍ら、独学で心理カウンセラーの資格を取得。現在はこれまでの経験を活かし、ライターとして医療系や心理系を中心に多くの記事を執筆中。「専門的な内容でもわかりやすく、そして正しく執筆する」ことがモットー。

  1. 【見たい夢を見る方法】夢は思い通りにコントロールできるのか

  2. 寝相から分かる深層心理・性格についてご紹介

  3. 【怖い夢ばかり見てしまう】悪夢の原因と対処法について解説

いびきがうるさいのはウチの旦那だけ?

男性のいびきに困り、両耳をふさぐ女性
多くの人にとって、いびきは女性よりも男性の方がかきやすいイメージがありますよね。特に、男性は体が大きいためいびきの音も大きくなりがちです。もしかすると、「私の旦那、いびきがものすごくうるさいんだけど、これってウチだけ?」と不安に思っている奥さんもいるのではないでしょうか?

まずは、どうして男性がいびきをかきやすいのか、その理由を解説していきましょう。

男性はもともといびきをかきやすい

いびきを発生させる最もポピュラーな原因は、肥満です。
肥満になると、腹回りが大きくなるだけでなく、舌や気道にも脂肪が沈着します。すると、健康な人よりも気道を圧迫するため、横になると必然的に気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。

そして男性は、上半身を中心に脂肪がつく「内臓脂肪型肥満(上半身肥満・リンゴ型肥満)」になりやすい傾向があります。そのため、少々の肥満でも脂肪によって気道が狭められ、いびきをかくようになるのです。
対して、女性は「皮下脂肪型肥満(下半身肥満・洋ナシ型肥満)」になりやすいため、上半身にはあまり脂肪はつきません。これにより、気道周辺の脂肪沈着が少なくなり、いびきをかきにくくなります。

女性ホルモンのいびき抑制機能

女性は、男性にはない特有のいびき抑制機能を持っています。

女性には、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類の女性ホルモンがあります。これらは、女性らしい丸みのあるカラダづくりや、妊娠の準備、妊娠の維持といった役割を持っている、女性にとっては欠かせないホルモンです。

また、エストロゲンには、肥満防止効果があります。上記で、女性は男性よりも上半身肥満になりにくい体質だとお伝えしましたが、ホルモンの面でも肥満防止効果が働き、いびきが抑えられています。さらに、プロゲステロンには気道を開きやすくする効果があるため、これもいびきの抑制に大きな力を発揮しています。

つまり、男性はこのようないびき抑制機能が体に備わっていないので、肥満などのいびきをかく条件が揃うと、いびきをかくようになってしまうのです。

女性もいびきには要注意

女性には特有のいびき抑制機能があるとお伝えしましたが、だからといって女性であれば100%いびきをかかないわけではありません。

女性ホルモンは、40歳を過ぎると分泌量が減少し始め、そして60歳前後には閉経して分泌量が激減します。すると、これまでは得られていた女性ホルモンのいびき抑制効果が失われ、女性も同様にいびきをかくようになります。
加えて、女性は男性よりも小顔であごが小さく、首が短い傾向にあるため、より気道が狭くなっていびきをかきやすくなります。

実際、20代や30代のころはいびきをかかなかったのに、中年期に差し掛かったころから急にいびきをかくようになる女性は意外と多いのです。また、日々の生活習慣やあごの骨格、鼻の疾患によってもいびきは発生します。
したがって、いびきは男性だけのものではなく、女性にもいびきをかく可能性は十分にあります。そして、「いびきをかくのはウチの旦那だけ」でもなければ、「妻は絶対いびきをかかない」わけでもないのです。




いびきは我慢すれば良い…?

寝ている男性の横で両耳をふさぐ女性
いびきに悩んでる人の中には、「たかが、いびき。多少夜うるさいけど、私が我慢すれば良いだけ。」とあきらめている奥さんも多いのではないでしょうか?

単刀直入にいって、いびきを我慢するのは旦那さんにとっても、奥さんにとってもメリットはありません。その理由は、いびきを放置することによる健康への悪影響が非常に深刻だからです。

いびきをかく旦那さんの健康問題

いびきは、放置すると睡眠時無呼吸症候群という恐ろしい病気を引き起こします。
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まる無呼吸状態になることで、慢性的な睡眠不足に陥ってしまう疾患です。特徴として、毎晩大きないびきをかきます。

初期段階の主な症状は、日中の眠気や熟睡感の喪失、倦怠感、集中力の低下などです。通常の寝不足と症状が似ているため、「最近あまり疲れが取れないな…」と見逃されがちになります。しかし、無呼吸に気づかず治療を後回しにすると、さまざまな合併症を発症します。

<睡眠時無呼吸症候群が引き起こす合併症の例>

  • ・高血圧
  • ・糖尿病
  • ・肥満
  • ・動脈硬化
  • ・脳卒中
  • ・心筋梗塞
  • ・うつ病など

したがって、いびき・睡眠時無呼吸症候群は絶対に放置してはいけないのです。

いびきを我慢する奥さんにも影響が…

健康被害は旦那さんだけでなく、奥さんにも及びます。

まずは、大きないびきの音による慢性的な睡眠不足です。満足な睡眠が長期間とれないと、日中の眠気や倦怠感、集中力の低下、ストレスなどを感じるようになります。
そして、慢性化すると次のような不調が見られるようになり、命を落とすケースもあり得ます。

・肥満

    • 食欲をコントロールするホルモンが影響を受け、食べすぎて太ってしまう

・免疫力低下
傷ついた細胞の修復や免疫細胞の活性化が正しく行われず、病気や感染症にかかりやすくなる

・交通事故や作業中の事故
日中の眠気によって事故を起こしてしまう

・うつ病
慢性的な睡眠不足とストレスによって気持ちが落ち込みやすくなり、うつ病を発症する

いびきは、いびきをかく本人だけでなく、それを我慢する周囲にも悪影響を及ぼしてしまいます。「まるでタバコの受動喫煙だ」といっても過言ではありません。




相手を傷つけずにいびきを自覚させるには?

頭を抱える男性に寄り添う女性の様子
ここまでの内容を読んで、自分の夫や彼氏にいびきの症状がある人は、とても不安になったと思います。夫の突然死や妻の不調を避けるためにも、いびきの早期発見・早期治療は欠かせません。
ですが、いびきはとてもデリケートな問題です。一方的に「いびきがうるさい!なんとかして!」といっても、相手は治療に臨んでくれないどころか、2人の関係にヒビが入ってしまうかもしれません。

そこで、パートナーを傷つけずにいびきの自覚と改善を促すアプローチが必要になります。ここからは、パートナーにいびきをかいていると伝える際にぜひ気をつけてほしいポイントを3つご紹介します。

相手を責めない

まずは、絶対に相手を責めないことです。

多くの場合、いびきをかいていてもその自覚は本人にはありません。たとえ自覚があったとしても、自分ではどうしたら良いかわからず、途方に暮れている場合も多いのです。むしろ、本人の自覚なしにどんどん病状が進行していくことが、いびき・無呼吸の恐ろしいところでもあります。
ですので、決していびきをかいていることを責めず、相手を思いやることが大切です。

いびきのリスクを正しく伝える

次に、いびきのリスクを伝えて、改善を促していきましょう。いびきのリスクについては、まだまだ世間の認知度が低く、あまり重要視されない傾向にあります。そのため、いびきがもたらす健康被害を的確に伝えることが大切です。

そして、正しく治療すれば、改善する可能性は十分あることも伝えましょう。いびきで病院に行くことに、最初は旦那さんも抵抗を示すかもしれません。しかし、医療機関で本格的ないびきや睡眠時無呼吸症候群の治療を行うことで、症状改善が見られるだけでなく、突然死のリスクを減らす効果が期待できます。

一緒に解決する意志があると伝える

最後に最も重要なのが、いびきを2人の問題として、一緒に解決に取り組む意志があると伝えることです。

医療機関でのいびきや睡眠時無呼吸症候群の治療は、ときに多くの時間と費用を必要とするため、本人とってはストレスがかなり大きいものになります。中には、治療を続けることができず、途中で断念してしまう人も多くいます。
そのため、いびき改善を夫婦二人三脚で取り組んでいく考えを伝えましょう。2人で力を合わせて解決していく姿勢を見せることで、相手も前向きにいびきを捉え、治療に臨んでくれるようになります。




旦那のいびきを止める為にパートナーが出来る事

楽しそうにジョギングをする夫婦の様子
それでは最後に、旦那のいびきを止める為にパートナーが出来る具体的な対策をご紹介していきます。ぜひ、奥さんも旦那さんに協力していびき改善に取り組んでください。

肥満解消に協力する

前述したように、いびき・無呼吸で最も多い原因は肥満です。医療機関でも、治療の一環として肥満解消が行われるくらい、肥満がもたらすいびきへの影響は大きいです。

そのため、日頃の生活習慣を見直し、肥満を改善するよう心がけましょう。ですが、食生活改善やダイエット、適度な運動は、1人ではなかなか続かず、途中であきらめてしまいがちです。

そんなときは、パートナーである奥さんも一緒に取り組むのがおすすめです。最近では、誰かと一緒にダイエットに取り組んだ方が1人でダイエットをするよりも効果があるとされています。
奥さんも一緒にチームとなってダイエットに取り組むことで、旦那さんの孤立を防ぎ、継続的なダイエットをサポートすることができます。

寝酒をやめてもらう

もし、旦那さんに寝酒の習慣があるなら、やめてもらうよう促しましょう。
寝る前に飲酒をすると、全身の筋肉の脱力が普段よりも促進され、舌が喉に落ち込むのを助長します。その結果、より気道が狭まっていびきをかきやすくなるのです。

加えて、睡眠直前の飲酒は、アルコールの催眠効果で確かに寝つきは良くなりますが、利尿作用によって夜中に目を覚ましたり、早朝に起きてしまったりなど、熟睡を妨げるデメリットがあります。
質の良い睡眠にアルコールは絶対NGですので、寝酒は控え、晩酌は寝る2〜3時間前に済ませるようにしましょう。

禁煙を促す

喫煙も、アルコールと同様に気道の閉塞を促進し、いびきをかきやすくさせます。

とあるデータでは、喫煙の習慣がある人は、タバコを吸わない人よりもいびきの発症率が高くなるばかりか、悪化させる要因になると報告されています。
さらにタバコは、いびきだけでなくさまざまな病気のリスクを高めることにつながります。寝酒と同様に、喫煙についてもリスクを正しく伝えて、やめてもらうことがベストです。

睡眠環境を整える

上記のような生活習慣の改善と合わせて、睡眠環境の見直しも行いましょう。

いびきは、仰向けで寝ると舌の落ち込みが促進されて発生しやすくなるため、いびき防止には横向き、もしくはうつ伏せで寝ることが推奨されています。しかし、寝ている間は無意識に寝返りをうっているので、最初は横向きで寝ていても気がついたら仰向けになってしまいます。
これを防ぐには、横向き寝のしやすい枕に変えたり、うつ伏せでも苦しくないように寝具を見直したりする必要があります。また、同じ寝具を長年使い続けていると、肩や腰に負担がかかり、睡眠の質の低下につながるので、睡眠環境を整えるためにも寝具を新しくしましょう。

ぜひ、この機会に寝具の状態をチェックして、自分達に最適な睡眠環境を見直してみてください。




まとめ

笑顔の夫婦
今回は、旦那のいびきを止める為にパートナーが出来る事について解説しました。

いびきは、伝え方を間違えると、ときに夫婦の仲を引き裂きかねないデリケートな問題です。それを防ぐには、パートナーである奥さんの思いやりと、いびき・無呼吸がもたらすリスクの正しい理解が大切になります。
ぜひ、夫や恋人、ベッドパートナーにいびきの症状がある人は、この記事を参考にして新たな一歩を踏み出すきっかけにしてください。




よくある質問

Q.ウチの旦那だけいびきがうるさいのですが、何かの病気でしょうか?

A.男性はもともといびきをかきやすく、女性はいびきをかきにくい体質です。ただし、いびきは放置すると睡眠時無呼吸症候群の原因になるため、心当たりがある場合は速やかに医療機関を受診しましょう。

Q.旦那のいびきを止めるために、妻にできることはありますか?

A.いびき・無呼吸の治療には、時間も費用もかかるため、人によっては孤独感を感じて治療を断念してしまうことがあります。そのため、奥さんも一緒に2人で改善に取り組む姿勢を見せることで、旦那さんの背中を押して前向きに治療に臨めるようになります。

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玉木 いずみ

医療系大学を卒業後、臨床検査技師の資格を取得。総合病院に就職し、臨床検査部にて主に検体検査を担当。その傍ら、独学で心理カウンセラーの資格を取得。現在はこれまでの経験を活かし、ライターとして医療系や心理系を中心に多くの記事を執筆中。「専門的な内容でもわかりやすく、そして正しく執筆する」ことがモットー。

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