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【何が原因?】寝すぎて背中が痛い時の対処法紹介

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睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

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寝すぎて背中が痛い原因

ベッドに座って窓の外を見ている男性、腰が痛くて抑えているようす 「休みの日だからたくさん寝て、朝スッキリしていると思いきや、起きたら腰や背中が痛くて動けない!」

誰しも、一度はこのような経験をしたことがあるのではないでしょうか?

寝すぎて身体が痛い場合、睡眠中に身体を支えている肩や腰に予期せぬ負担がかかっていることが多く、場合によっては命に関わるような病気を発症している可能性もあります。
また、睡眠中は多少の痛みや不快感に気付けず、時間の経過とともに症状が進んでしまい、朝起きた時には重い腰痛や背部痛が残ってしまうこともあります。

ここでは、寝すぎて背中が痛い原因について詳しく解説します。
痛みの原因を知ることで、適切な対処を取れるようにしましょう!

寝ている時の姿勢が悪い

寝すぎて背中が痛い原因として、寝ている時の姿勢が悪い可能性があります。
寝ている時の姿勢が悪いと、身体の特定の部位に強く圧力がかかってしまい、骨や筋肉に疲労を与えてしまうからです。

睡眠中の理想的な姿勢とは、仰向けになって立っている時と同じようなフォームで寝ることです。仰向けで立った時と同じ姿勢で寝ると、体の圧力が均等に分散されるため、血液が体のすみずみに循環しやすくなり、十分な休息を得ることができます。横向きで寝る場合は、背骨と床が真っすぐに並行している状態で寝ることで、頭が適切な高さで支えられ首や肩にかかる負担を抑えることができます。
異常に背中が丸まった状態や、上半身を捻った状態での睡眠は、身体の痛みに繋がる可能性があるため、注意が必要です。

枕やマットレスが合っていない

寝すぎて背中が痛い原因として、枕やマットレスなどの寝具が自分の身体に合っていない可能性があります。不適切な寝具の使用は、睡眠中に正しい姿勢を作れなくなってしまい、頭や肩、腰などに不用意な負担がかかリます。

例えば、柔らかすぎるマットレスを使用すると腰が沈んでしまい、睡眠中に腰が曲がってしまうため、腰痛の原因になります。横向きで寝る場合も、腰や肩などの体重がかかる部位が沈んでしまい、床と背骨の平行が保てなくなってしまうため、腰痛や背部痛の原因になります。

枕も同様で、頭が沈んでしまうと首や背骨が沈み、背部痛の原因になります。逆に、固すぎる寝具の使用は、腰や肩などの部位への圧力が増加する可能性もあり、どちらにしても腰痛や背部痛の原因になります。
そのため、自分の身体に合った適切な寝具の使用をお勧めします。

寝返りの頻度が少ない

寝すぎて背中が痛い原因として、寝返りの頻度が少ない可能性があります。

寝ている最中、無意識に態勢を変えることを「寝返りを打つ」と言いますが、実は寝返りは身体の特定の部位に負担がかからないように、自動で除圧する役割を担っています。そのため、寝返りが少ないと身体に負担がかかってしまい、痛みの原因になります。
通常であれば、一回の睡眠中に平均20~30回ほどの寝返りを打つと言われていますが、身体が硬い方や不自由な方、体型に合っていない小さいサイズのベッドを使用の方などは、寝返りの回数が減少する可能性があります。

筋肉疲労や血行不良

寝すぎて背中が痛い原因として、筋肉疲労や血行不良の可能性があります。
筋肉疲労や血行不良によって普段から血液の循環が滞っていると、十分な栄養が血液から筋肉へ供給されずに、疲労が蓄積して痛みを生じるからです。

筋肉疲労や血行不良が引き起こる具体的な原因としては、長時間のデスクワークや猫背などが挙げられます。寝ている時間だけでなく、日常生活の中でも背中や腰に負担がかからないように注意しましょう。

背中が痛くなる病気を発症している

痛みの原因として、背中が痛くなる病気を発症している可能性があります。背中の痛みを毎日のように繰り返す場合や、痛みの程度が強い場合、背部痛以外の症状がある場合などは、特に注意が必要です。

具体的には、椎間板ヘルニア、骨粗しょう症、変形性脊椎症などの整形外科疾患、尿管結石や腎盂腎炎などの泌尿器科疾患、急性膵炎などの消化器外科疾患、気胸などの呼吸器外科疾患、大動脈解離や大動脈瘤などの血管性病変の可能性があります。
中でも、急性膵炎や腎盂腎炎、気胸、大動脈解離などの疾患は命の危険性を伴うため、早急な医療機関での治療が必要になるため、気になる方は医療機関への受診をお勧めします。




寝すぎないための方法

朝の目覚め、体を伸ばしている女性
起床後の体の負担を軽減するには、上記で解説したような原因を除去する他に、度を超えた長時間の睡眠を控える必要があります。
睡眠中、腰や肩に多少の負担がかかってしまうのは避けにくく、寝返りを打つ回数を意識的に調整するのも困難。そのため、意識的に痛みを改善するには、不用意な長時間の睡眠を避ける必要があります。

睡眠時間を調整する具体的な方法としては、適切な睡眠時間を理解する、生活習慣を整える、起床時間や就寝時間を統一する、日中太陽光を浴びる、運動習慣を身につけるなどが挙げられます。
ここでは、それぞれの方法について詳しく解説します。

適切な睡眠時間を理解する

寝すぎないための方法として、まずは適切な睡眠時間を理解する必要があります。自分では短いと思っていた睡眠時間も、案外身体には負担になっている可能性があるからです。

睡眠時間を調べた数々の論文をまとめたデータによると、夜間の平均睡眠時間は10歳までは8~9時間、15歳で約8時間、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間であり、成人であれば7〜8時間程度の睡眠が目安になります。
とはいえ、適切な睡眠時間には年齢や環境など個人差が大きく、睡眠時間にはこだわらなくて良いというのが専門家の見解です。上記のデータはあくまで目安として、体調に合う睡眠時間をご自身で把握しておくことが重要です。

規則正しい生活習慣を保つ

寝すぎないための方法として、規則正しい生活習慣を保つことも重要です。不適切な生活習慣は睡眠のバランスを乱し、極端に睡眠時間の短い日や長い日が生じてしまい、背中の痛みの原因になるからです。

具体的には、就寝前の暴飲暴食、過剰な飲酒、就寝前のスマホいじりなどの生活習慣は避けるべきです。生活習慣の改善は睡眠の質の向上にも繋がるため、目覚めの良い朝を手に入れるためにも是非実践しましょう!

なるべく毎日同じ時間に起きる

寝すぎないための方法として、なるべく毎日同じ時間に起きることも重要です。

特に休みの日はベッドでダラダラしがちですが、体を動かさない時間が長くなれば、筋肉疲労・血行不良が生じて腰や背中の痛みの原因になります。そのため、休みの日であっても普段通りの時間に目覚ましをセットし、規則正しい生活を送るほうが、寝る時の腰や肩への負担を少なくすることができます。
また、翌日が休みだからといって、前日に夜更かしすることも極力控えましょう。日々の起床時間や就寝時間は、できるだけ統一するようにしてください。

日中なるべく太陽光を浴びる

寝すぎないための方法として、日中なるべく太陽光を浴びることも重要です。太陽光を浴びる時間が少ないと、朝起きる時間が遅くなって身体に負担がかかる可能性があります。

人間の体には「サーカディアンリズム」と呼ばれる、25時間刻みの体内時計が存在しています。
実際は1日24時間であるため、毎日1時間ずつ寝る時間が後ろにずれていくはずですが、多くの人は毎日同じような時間に寝ることができます。これは、日中に太陽光を浴びることでサーカディアンリズムのズレをリセットしているからです。

また、太陽光を浴びることによってセロトニンというホルモンが分泌され、夜になるとセロトニンを原料にメラトニンと呼ばれる眠気を誘うホルモンが生成されます。そのため、太陽光を浴びないと夜に眠気が生じず、寝る時間がずれてしまうのです。
朝起きたら早めに太陽光を浴びて、睡眠リズムを整えるようにしましょう!

運動習慣を身につける

寝すぎないための方法として、運動習慣を身につけることも重要です。適度な運動は夜間の睡眠の質を向上させ、朝スッキリと目覚めるようになるからです。また、運動には血行促進作用もあり、痛みの原因となる血行不良を改善してくれる効果も期待できます。

具体的にはジョギング・ウォーキング・水泳などの有酸素運動や、低負荷の無酸素運動がお勧めです。あまりにも高い負荷の運動を行ってしまうと、かえって筋肉に疲労が残り、起床時の痛みを悪化させる可能性もあるため、体調に合わせた運動を行うようにしましょう!




寝すぎて背中が痛い時の解消法

自宅でストレッチをしているシニア世代の男女
上記のような予防法を心掛けていても、毎日の睡眠の中でつい寝すぎてしまったり、寝違えてしまい痛みが出てしまったりすることはあります。
そんな時、原因に応じた解消法を知っておくことで痛みを軽減できる可能性があります。場合によっては、重篤な病気が隠れている可能性もあるため、適切な対応を取れるようにしておきましょう!

適切な寝具を選ぶ

適切な寝具を選ぶことで、痛みを解消できる可能性があります。寝具が体に合っていないと睡眠中の姿勢が悪化し、腰や背中の筋肉に必要以上の負担がかかってしまうからです。
特に、枕やマットレスの弾力性、ベッドのサイズ、掛け布団の重さなどが重要です。寝具によっては寝返りも打ちにくくなってしまうため、自分の体型に合った適切な寝具への買い替えを検討しましょう。

適切な温度、湿度で寝る

適切な温度・湿度を保つことで、痛みを解消できる可能性があります。
室温が低すぎると、血管が収縮して血行不良が引き起こり、痛みの原因になってしまいます。
そのため、暖房や加湿器などを使用して、就寝する部屋の湿度や温度を適切に保つことをお勧めします。

ストレッチをする

痛みの原因が筋肉疲労や血行不良の場合、日常的にストレッチを行い、筋肉を揉みほぐすことで痛みを解消できる可能性があります。特に、腰回りや背部の筋肉のストレッチが効果的です。
ただし、誤ったストレッチ法を行うとかえって症状が悪化する可能性もあるため、適切なストレッチを行うようにしましょう!

マッサージを受ける

マッサージを受けることで、痛みを解消できる可能性があります。マッサージにはストレッチ同様、痛みの原因となる筋肉を弛緩させ、血流を促進させる効果があるからです。
しかし、痛みの原因が打撲などの外傷の場合は、マッサージによって症状が悪化する可能性もあるため、マッサージを受ける際には必ずご自身の病状を正確に伝えるようにしましょう!

入浴などで身体を温める

入浴などで身体を温めることで、痛みを解消できる可能性があります。腰や背中の筋肉への血流を促進させ、痛みを軽減させる効果が期待できるからです。
お勧めは、38℃のぬるめのお湯に25分〜30分程度浸かる、もしくは40℃のお湯で30分程度半身浴する入浴法です。就寝直前の入浴は睡眠の質を低下させてしまうため、遅くても就寝の2時間前までに入浴するようにしましょう!

医療機関へ受診する

医療機関へ受診することで、痛みを解消できる可能性があります。
朝起きた時の背中や腰の痛みは、何らかの病気によって生じている可能性もあります。その場合、これまで紹介した予防法や解消法での解決は望めず、根本の原因となる疾患に対する治療を行う必要があります。

例えば、椎間板ヘルニアであれば鎮痛剤の内服や手術が必要になり、急性膵炎であれば入院による点滴治療が必要になります。
原因となる病気によっては命の危険性もあるため、気になる方は早期に医療機関を受診することをお勧めします。




まとめ

ソファに座りながら体を伸ばしてストレッチをする女性
この記事では、寝すぎて背中が痛い場合の原因や予防法、解消法などについて解説しました。
寝すぎて背中が痛い場合の多くは血行不良や筋肉疲労が原因であり、日常生活のちょっとした工夫で症状の改善が期待できます。しかし、中には重篤な病気が隠れている可能性もあるため、医療機関への受診も検討する必要があります。
適切な対策をとって、痛みのない心地よい目覚めを手に入れましょう!

よくある質問

Q.寝すぎて背中が痛くなる原因は何ですか?

A.寝すぎて背中が痛くなる原因は、睡眠中の不適切な姿勢、身体に合わない寝具の使用、日常的な筋肉疲労や血行不良などが挙げられます。
また、場合によっては急性膵炎や大動脈解離などの命に関わるような病気の可能性もあるため、注意が必要です。

Q.寝すぎて背中が痛くならないために、どう予防すればいいですか?

A.主な予防法は、適切な寝具の使用や規則正しい生活習慣、睡眠時間の見直しなどが挙げられます。 寝具の選び方については、「【2022年版】睡眠時間を無駄にしないおすすめのマットレス6選」の記事でも詳しく解説されていますので、是非参考にしてください。

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