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睡眠の質

寝相から分かる深層心理・性格についてご紹介

寝相で性格診断ができるの?

快眠する女性

そもそも、どうして寝相から性格や深層心理などの心理状態が読み取れるのでしょうか?

寝相から性格診断ができる理由

誰しも、眠りにつくときはいつでもその人が眠りやすい体勢をとります。もちろん、ときどき寝返りをうって体勢を変えることはありますが、最終的にはその人が一番快適だと感じる体勢に自動的に落ち着くものです。

そして、人間は起きているときにおいても、警戒心があるときは腕組みをしたり、気持ちを落ち着けたいときには髪の毛を触ったりと、無意識でやってしまう仕草があります。

こうしたことから、アメリカの精神分析医のサミュエル・ダンケル氏は、深く眠っている間は最も無意識が外に出る状態であり、寝姿勢にはその人の性格や心理状態が現れると考えました。




寝相から分かる性格と深層心理4選

寝相の悪い男性

実際、1970年代にダンケル氏が寝付くときの姿勢を次の4つのタイプに分け、それぞれが持つ性格の傾向を示しました。

仰向け寝

王様型とも呼ばれる仰向け寝は、自分に注目を集めるのが好きな「我が道を行く」タイプで、子供や有名人、タレントに多く見られます。いわゆる、「大の字で眠る」というイメージです。

性格としては、自己中心的で積極的、開放的、行動的な傾向があります。

うつ伏せ寝

うつ伏せ寝は、保守的で支配的な人に多く見られ、いわゆる金貸し型とも呼ばれます。

消極的で神経質、ルールや時間に正確な傾向があります。

横向き寝

横向き寝は、常識的な人で社会との適応が上手くいっている人に多く見られます。

また、協調性もあるため、自分と合わないタイプの人とも上手に付き合える人が多いです。

丸まって寝る

同じ横向き寝でも、体を丸めて顔や腹を隠すようにして眠る「胎児型」と呼ばれる姿勢で寝る人は防御的で抑制が強く、自分をあまり外に開放しない傾向があります。

また、強い心理的ストレスに晒されている場合も、この寝相になりやすいといわれています。




寝相から分かる健康状態

頭抱える寝起きの女性

上記のように、寝相からその人の性格や深層心理を診断することができますが、他にも寝相からその人の健康状態を読み解くこともできます。

急に丸まって寝るようになった

今まで仰向けや横向きで寝ていた人が、急に丸まって寝るようになったときは少々注意が必要です。

心理的ストレスが蓄積しているのに加えて、胃腸など消化器系の病気によって、お腹を抱えるように寝ている可能性もあります。症状に心当たりがある場合は、早めに内科や消化器科、心療内科などを受診すると良いでしょう。

急に寝相がひどくなった

これまで寝相が悪くなかった人が、急に寝相が悪くなった場合は「睡眠時無呼吸症候群」の発症が疑われます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、狭くなった気道に脱力した舌や粘膜が落ち込み、気道を塞いでしばしば無呼吸(呼吸が止まってしまう)を引き起こす病気です。無呼吸のたびに睡眠が分断されるため、慢性的な睡眠不足や日中の激しい眠気、集中力の低下などが発生します。

そして、無呼吸を起こすと呼吸が止まって低酸素状態になるため、脳はなんとか呼吸を再開しようとします。このとき、寝苦しさから寝相が悪くなったり、寝汗をかいたり、あえぐような呼吸をしたりするようになります。

睡眠時無呼吸症候群は放置したらダメ?

睡眠時無呼吸症候群は治療せずに放置すると、命を落とす可能性のある危険な合併症を次々と引き起こします。

その一例は、次の通りです。

  • ・高血圧
  • ・動脈硬化
  • ・心臓病(狭心症や心筋梗塞など)
  • ・脳卒中(脳梗塞、脳出血など)
  • ・糖尿病
  • ・うつ病
  • ・日中の激しい眠気による居眠り運転や事故

こうした疾患を発症する危険がありながら、本人には無呼吸を起こしている自覚はありません。そのため、気づかぬうちにじわじわと病状が進行し、気づいたときにはかなり深刻な状態になってしまうのが、この疾患の恐ろしいところでもあります。

睡眠時無呼吸症候群を発症している人は、眠っているときは毎回のように大きないびきをかくのが特徴です。そのため、家族や恋人、ベッドパートナーなどからいびきを指摘されたことがある人は、無呼吸を発症している可能性があるため、速やかに医療機関を受診するようにしてください。

起き上がったり立ち上がったりする

寝相が悪いのに加えて、睡眠中にベッドから起き上がったり、立ち上がったりする場合は、「レム睡眠行動障害」を発症している可能性が高いです。

レム睡眠行動障害とは、レム睡眠中に夢と同じ行動をとってしまう病気で、睡眠障害の睡眠時随伴症群に含まれます。
子供時代に「夢遊病」を起こしたことがあるという人がいるかもしれませんが、これは夢を見ていないノンレム睡眠中に起こるもので、成長すると自然と治まるケースがほとんどです。

しかし、レム睡眠行動障害は夢を見ているレム睡眠中に発生する症状で、夢でしているのと同じ行動をとります。そのため、夢の中で暴れたり逃げたりすると、現実の世界でベッドパートナーを殴ったり、立ち上がって動き回り、家具にぶつかってしまったりすることがあります。

レム睡眠行動障害の明確な原因は明らかになっていませんが、発症する人の多くに中枢神経の疾患、特にパーキンソン病やレビー小体病、多系統萎縮症などが高頻度で確認されています。

症状が見られる場合は、人に怪我をさせたり自分が怪我をしてしまったりする前に、早めに睡眠障害の専門医に相談しましょう。

バンザイ寝をする

よく赤ちゃんが腕を上にあげる「バンザイ寝」をしていますが、大人のバンザイ寝は要注意です。

赤ちゃんがバンザイ寝をするのは、腕を上に上げて布団から出すことで体温調節をしたり、力を抜いてリラックスしたりするという目的があるといわれています。また、バンザイをして胸を開くことで呼吸がしやすくなり、よりゆったりできるという効果もあります。
そのため、赤ちゃんがバンザイ寝をする分には、なんの問題もありません。

しかし、大人のバンザイ寝は首や肩、背中の筋肉が凝っているために、バンザイをして背中や肩周りの筋肉を伸ばしたり、胸を開いて酸素を取り入れたりしようとしている可能性が高いです。

しかも、バンザイ寝は一時的に楽になったように思えても、腕を長時間上げ続けることで血行不良が起こり、さらにコリがひどくなることがあります。

悪化すると、慢性疲労や冷え性など生活に悪影響を及ぼすこともあるため、早めに対処するのが大切です。適度にストレッチをしたり、入浴して血行を良くしたりして、筋肉のコリを解消するようにしましょう。




ぐっすり眠れる正しい寝姿勢はどれ?

寝ている女性

ここまで、寝相から読み取れる性格や深層心理、健康状態について解説してきましたが、結局どの姿勢で眠るのがぐっすり眠れる正しい寝姿勢なのでしょうか?

正しい寝姿勢は基本的にはない

質の高い睡眠をとるうえで、正しいとされる寝姿勢は基本的にはありません。

前述したように、人間は深い睡眠に入ると自分が一番快適だと感じる姿勢を自動的にとります。そのため、どんなに事前に決めた体勢で眠ろうとしても、寝入ってしまったらまたいつもの寝相に戻ってしまいます。
つまり、寝ている間の寝相を自分でコントロールすることは不可能なのです。

そして、自分に合っていない体勢で無理に眠ろうとするのは、逆に窮屈さを与えて睡眠の質の低下につながります。「健康によい寝姿勢」や「行儀のよい寝相」などはあまり考えず、自分が一番楽に眠れる姿勢で眠るのが大切です。

無呼吸を発症している人は横向き寝を

正しい寝姿勢は基本的にないものの、前述した睡眠時無呼吸症候群を発症している人は、横向き寝をするのが推奨されています。

無呼吸は、睡眠によって脱力した舌や粘膜が喉の奥に落ち込み、気道を塞いでしまうことによって発症します。そして、舌の落ち込みは仰向け寝をしたときに顕著に起こるので、舌の落ち込み防止のためには横向きで寝るのが効果的です。
実際、医療機関でも無呼吸患者にはなるべく横向きで眠るようアドバイスされます。

したがって、無呼吸を発症している人は、日常的に横向き寝を心がけるようにしましょう。普段仰向け寝をしている人は、入眠すると無意識のうちに仰向け寝に戻ってしまうため、枕やクッションを活用して、横向き寝でも苦しくないように工夫してみてください。

寝返りが少なすぎるのもNG

前述でも軽く説明しましたが、行儀良く眠ろうと寝返りを少なくしようとするのもNGな寝相です。

私たちは、一晩中同じ姿勢で眠っているわけではありません。大人でも平均で一晩に10〜30回の寝返りをうっています。そのため、寝ている間に寝返りをうつのは自然なことといえます。

もし、寝返りをうたなくなったら、寝違えを起こしたり、寝具と触れ合っている皮膚が炎症を起こして床ずれ(褥瘡:じょくそう)を起こしたりする危険性があります。
実際、寝たきり患者には褥瘡対策として、約2時間おきに患者の寝姿勢を変える看護が医療の現場では行われています。

さらに最近の研究では、寝返りが睡眠の深さを切り替える重要なスイッチとなっていることが分かってきています。人間の睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠がありますが、寝返りをきっかけに両者が切り替わっている可能性があると示されました。

詳細は未だ明らかになっていませんが、どちらにしても寝返りが睡眠にとっては無くてはならないものであることは確かです。
寝返りを減らそうとするのは睡眠の質を低下させるため、控えるようにしましょう。




まとめ

ベッドで眠る女性

今回は、寝相から分かる性格や深層心理、健康状態について解説しました。

寝相には、その人の深層心理が無意識に現れるため、そこから性格などを読み取ることができます。また同時に、寝相から健康状態を読み解くことも可能です。

しかし、だからといって自分に合っていない寝姿勢で眠ったり、寝返りを減らそうとしたりするのは、睡眠の質を下げるためNGです。人間は、深く寝入ったら自然と自分の寝やすい姿勢をとるものなので、無理にコントロールしようとしてもあまり効果はありません。

ゆえに、「お行儀良く」とか「ぐっすり眠るために」などと深く考えすぎず、自分が一番快適だと思える姿勢で眠るようにしましょう。




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