安眠のための自律訓練法(自己催眠)
人間はリラックスしているとき、手足が暖かく重い状態になります。疲労回復やリラックスを目的として、手足が暖かく重い状態であると意識的に自己暗示(自己睡眠)をかけることを自律訓練法といいます。
自律訓練法はストレス解消、疲労回復、能力開発などに対して効果的であることはよく知られていて、神経症や心身症の治療として実際に利用されている方法です。また、安全・簡単で道具もいらず睡眠薬にたよる必要がないため、不眠に悩む人たちからも広く支持されています。
自立訓練は一種の自己催眠ですから、以下にご紹介する「暗示の言葉」を使います。暗示にかかりやすい人には効果がありますが、自己暗示であるために、最初から暗示や睡眠を疑っている人には効果が出にくいようです。
それでは、実際に自律訓練法を体験してみましょう。
声に出さなくてもいいので、以下のステップ1からステップ7まで、心の中で「暗示の言葉」を自分に言い聞かせるように繰り返します。
ゆったりとした気分でリラックスできるようなイスやソファに深く座って、軽く目を閉じましょう。ベッドやフトンの上で仰向けに横になれれば、なお良いでしょう。
ステップ1.『気持ちがとても穏やかになってきた』
体を軽くゆするようにしてゆったりと気持ちが落ち着いている自分をイメージしてください。
(1〜2分ほど続けて、気持ちが本当に穏かになったらステップ2へ)
ステップ2.『腕と足がだんだん重くなってきた』
右腕、左腕、右足、左足の順番に、本当に重く感じるまで練習を繰り返します。あまり強く意識してしまうとかえって力が入ってしまうので、だらんと力を抜きましょう。
これを身につけるまでに数週間かかることもあるので、焦らずマイペースでやってください。練習を重ねれば、本当に重いと感じることができるようになります。
ステップ3.『腕と足があたたかくなってきた』
ここでも、右腕、左腕、右足、左足の順番に本当にあたたかくなってくると暗示をかけて、実際にあたたかく感じられるようになるまで練習を繰り返します。あたたかさを実感できるようになると、血流が実際に増えてきます。
ステップ4.『鼓動が穏やかになってきた』
心臓がおだやかに、規則正しく動いていることをイメージしましょう。
ステップ5.『呼吸がラクになってきた』
鼻から空気が静かに入り、その空気が穏かに胸に入っていく様子をイメージしましょう。
ステップ6.『胃のあたりがあたたかくなってきた』
手をみぞおちのあたりに当てて、体の中があたたかくなってくることをイメージしましょう。
ステップ7.『おでこが涼しくなってきた』
足はあたたかいのに、おでこは涼しいという頭寒足熱の状態をイメージしましょう。
静かで気持ちのいいそよ風がおでこにやさしく当たっていることをイメージしましょう。
ひとつの言葉を本当に実感できるまでには、二週間ほどかかるので、気長にいきましょう。相手は自分自身ですから、焦りは禁物です。焦りが潜在意識に働きかけ、自然に催眠状態になることができなくなってしまいます。
ステップ2をマスターしてしまえば、ステップ3から7までは、要領が同じですから簡単に習得できます。
練習を続けていると、気分が良くなってきて緊張もなくなります。「眠らなくてはいけない」という緊張感や強迫観念から解放され、自律訓練法をマスターする頃には、自己暗示によってぐっすりと熟睡できるようになります。
マスターするには、かなり時間がかかりますが、辛抱強く練習を続けてください。毎日5分でも良いので少しずつ練習を続けていると、少しずつ気分がすっきりするようになり、安眠できる頻度が高くなってくるはずです。ただし、「何がなんでも毎日続けるぞ」と気合いを入れるのではなく、肩の力を抜いてラクな気持ちで長く続けていくことがポイントです。