睡眠時無呼吸症候群は命に関わる病気
睡眠時無呼吸の患者は、数十秒の呼吸停止を多いときには一晩に数百回も繰り返しながら、自分でも気づかないながらも頻繁に覚醒し、ぐったりと疲労して朝を迎えます。いわゆる熟睡ができていない夜が慢性的に続きますから、心身ともに異常が出てきて当然です。睡眠中は酸素不足により血圧は上昇、心拍数は増えて心臓や血管に非常に大きな負担をかけることになります。

健康な人は睡眠中は血圧が下がりますが、睡眠時無呼吸の患者の場合は、一晩中ずっと覚醒しているようなものですから、寝ている間も血圧が下がらずに血管や心臓に負担をかけ続けることになります。通常は降圧剤で血圧を下げることができますが、睡眠時無呼吸患者の場合は効果が出ないことが多いようです。
こうして血管や心臓に負担をかけ続けると、そこから派生してさまざまな他の病気を誘発することになります。無呼吸によって体内の酸素量が慢性的に減るために、脳や心臓だけでなく呼吸器系や循環器系などの様々な器官や内臓に深刻な悪影響を与えることになります。
また、睡眠中に分泌されるホルモンが正常に分泌されなくなり、血中の脂質が上昇したり免疫力が弱くなるため、心臓疾患、脳卒中、糖尿病などの病気を引き起こす原因にもなります。睡眠時無呼吸の患者は糖尿病や高血圧も併発しているケースが多く、血管や脳や心臓にかかわるあらゆる病気の発症率が健康な人よりも非常に高いこともわかっています。
治療を受けずに放置する期間が長くなればなるほど、不整脈、狭心症、心筋梗塞(血管が詰まって血液が流れない状態)、脳梗塞、高血圧などの原因になります。ここまでくるともはや生命に関わる重大な事態ですし、最悪の場合は睡眠中の突然死というケースもあります。
睡眠時無呼吸症候群の患者は、健康な人と比べると死亡率が高くなるという報告がアメリカでありました。中でも睡眠時無呼吸症候群単独の場合よりも、心臓や血管の病気と併発している場合は、平均死亡率が急激に高まります。