眠らない動物

iruka.jpg常に海の中を泳ぎまわっているカツオやマグロなどの魚やイルカ・オットセイなどの一部の水中哺乳類、カモメなどのように常に空を飛び続ける鳥たちは、いったいいつ寝ているのでしょうか。

水中や空中で長時間過ごす動物たちは、実は左右の脳を交互に休ませることによって、活動を続けているのです。渡り鳥の中には片目だけつぶって飛びながら眠る鳥がいます。つまり、人間のように寝るときに活動を停止するのではなく、泳ぐ、飛ぶといった活動を行いながら、眠ることができるのです。この脳の半分だけを眠らせる睡眠法を半球睡眠といいます。

人間の場合はレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返し起こりますが、おもしろいことに、これらの眠らない動物たちの眠りにはレム睡眠がありません。レム睡眠は筋肉が弛緩してしまい、肉体を動かすことができなくなってしまうためだと考えられています。睡眠中も飛んだり泳いだりしなくてはならないので、レム睡眠は都合が悪いわけです。

kamome.jpgこれらの動物たちは、眠るときはノンレム睡眠を半分の脳だけで行って、体のほうが動かし続けるという驚異的なことをしています。カモメの場合は、長時間の飛行移動の時には半球睡眠を行い、安全が確保された地上で眠る場合は、人間と同じように左右の脳を休ませて、しっかりとレム睡眠をとるといったように、非常にフレキシブルな睡眠術を使いこなしていることがわかっています。

shimauma.jpgまた、草原に住むシマウマ、キリンといった動物たちも、ぐっすり熟睡しません。ライオンやヒョウなどの天敵がいつどこから襲ってくるかわからない生活をしているわけですから、ぐっすりレム睡眠を楽しんでいる余裕はありません。レム睡眠の最中で筋肉が緩んでいるときに、襲われたらひとたまりもありません。

ノンレム睡眠にしてもあまり深く寝てしまうと、身に迫る危険を察知することが遅れ、逃げ遅れてしまいます。ノンレム睡眠ですら浅い眠りにして、いつ敵が現れてもすぐに走って逃げられるように、立ったまま寝るという驚きのテクニックを身につけているのです。

lion.jpg一方、ライオンは自分より強い天敵がいないので、天敵に怯えるシマウマやキリンとはまったく正反対の生活をしています。
おなかがすいた時だけ、数時間の狩りの活動をしますが、それ以外の一日の大部分はのんびり寝て過ごしています。